葉山から横浜市内に戻り、みなとみらい駅で降りました。横浜美術館で開催中の企画展を観るためです。この頃はハロウィーンが終わると11月でもクリスマスの装飾が増え始めますね。なので11月でも既に年の瀬が迫っているような気持ちになります。今回の旅では街の各所でクリスマスの飾りつけやイルミネーションをたくさん目にしました。
横浜美術館で開催中の企画展。オランジュリー美術館の所蔵作品146点のうち70点がまとまって来日する貴重な展覧会のようです。ルノワールやマティス、ピカソなど19世紀末から20世紀前半にかけて活躍した13人の画家の名品が揃い大変見ごたえがありました。13人の画家たちの中でも、とりわけ印象深かったのはルノワールの作品でした。どの絵にも幸福感が満ち満ちていて、観ていてとても幸せな気持ちになるからです。「ピアノを弾く少女たち」は特に有名な作品ですね。これを日本で観ることができるとは嬉しいことでした。
幸せオーラがあふれるルノワールの作品とは対照的だったのがローランサンによるシャネルの肖像(下の写真はネットからお借りしました)。
二人の女性を巡る逸話からこれも印象深いものでした。シャネルはこの作品が気に入らずローランサンに返したそうです。どことなく寂しげで疲れた雰囲気を感じる女性の姿。シャネルは人に見せたくない心の裡をローランサンには見抜かれたようで気分がよくなかったのかもしれません。芸術家の持つ鋭い感性と観察眼をうかがわせるエピソードでした。
そして今回の展覧会で初めて知ったのは画商ポール・ギョームのこと。彼のコレクションがオランジュリー美術館の基礎となったとのこと。画家たちを世に出す役割を果たしており、彼らとの関係なども説明されており興味深かったです。モジリアニが描いたギョームの肖像画や写真なども展示されていました。知性よりも動物的な鋭さが漂う感じで私にはちょっと苦手なタイプでした(笑)でもこの人のおかげでこのような素晴らしいコレクションが遺っており、立派な方だったのだと思います。
下はギョームの自邸の再現。自宅にも気に入った作品を壁いっぱいに飾ってあったようです。欧米人には邸宅でもお城でも空間恐怖症かと思うほど壁一面にぎっしり絵を飾る傾向があるように感じます。この辺、空白の美を大事にする日本人と対照的です。
実はこれは模型です。ここは写真撮影OKでこんな感じに展示されています。ミニチュアなのに細部までとてもうまく再現してあってついついじっくり眺めてしまいました。
横浜美術館も今回初めて足を踏み入れましたが、空間を贅沢に使ってあるとても広い施設でした。
展覧会を観終えて外に出た頃には外は日没時間。イルミネーションが輝きだしてました。とてもきれいだったのでホテルのある山下公園前までイルミネーションや街の夜景をみながら歩いて帰ることにしました。続きます~