107~108本目。

 

 

原題:SHOCK AND AWE

監督:ロブ・ライナー

キャスト:ウッディ・ハレルソン、ジェームズ・マーズデン、ロブ・ライナー、トミー・リー・ジョーンズ、ミラ・ジョヴォヴィッチ

 

2002年、ブッシュ米大統領は大量破壊兵器保持を理由にイラク侵攻に踏み切ろうとしていた。新聞社ナイト・リッダーのワシントン支局長ウォルコットは部下に取材を指示し、やがて、一連の出来事が政府の捏造、情報操作であることを突き止める。しかし、大手新聞社が政府の方針を追認したことから、ナイト・リッダーは世間の潮流の中で孤立していく。~Movie Walker~

 

2017年アメリカ映画。久しぶりにとても感動する映画でした。心を動かされました。監督は「ミザリー」や「スタンド・バイ・ミー」で知られるロブ・ライナー。ご本人も出演されています。それもカメオ出演のちょい役ではなくて新聞社ワシントン支局長という大事な役柄で。戦争が巨大なビジネスとなり、本来は権力の監視役であるはずの大手マスコミは御用記者に成り下がる世の中。大手でもない新聞社にいて、孤立してでも真実を追求しようとする記者たちがいたこと。読者の支持を失って気持ち的に追い詰められていく記者たちの孤独感がよく伝わってきました。決して体制に流されない強い意志と、また政権内でも良心を忘れずにいた人たちの姿がとても印象深い。自身の子供を戦場に送る親の立場で製作されたとありました。19歳の一人息子を戦場に送る母のひとつひとつの言葉が心に響きました。今の世界で情報を受け取る側もどうしたら真実と嘘を見分けることができるのだろうかと考えてしまいました。原題のShock and Aweは「衝撃と畏怖」という意味ですが、これ、イラク攻撃の作戦名なのだそうです。この表現にはアメリカの傲慢さ、欺瞞を感じました。作品の最後のエンドロールの部分で知りましたがイラク戦争での死傷者数はイラク側、アメリカ側を合わせると100万を超えているとのこと。嘘をついて戦争を強行したブッシュ政権の人たちが責任を問われることがないのか不思議です。

 

 

原題:Match Point

監督:ウッディ・アレン

キャスト:ジョナサン・リースマイヤース、スカーレット・ヨハンソン、マシュー・グート

 

ロンドンの上流社会を舞台に、元プロテニス・プレイヤーの野心家クリスが、成り上がり、そして転落していく様を、結婚や仕事の成功など人生における様々な決断を通して辛辣に描く。~映画.com~

 

2005年。ウッディ・アレン監督の作品。脚本がめちゃめちゃよく出来ているという感想。最後まで結末がわからないサスペンスものです。テニスでネット上にボールが当たってこちら側に落ちるか向こう側に落ちるか、で勝敗が決まる運みたいなものがありますが「マッチポイント」というタイトルもこの映画の展開を示唆していて。それも最後の最後まで予想を裏切るんです。本当にうまく作ってある!どきどきハラハラのまま見続けられてかなり面白いですが、かなりの度合いであと味が悪いです。恵まれない出自の主人公がのし上がっていくさまはアラン・ドロン主演の名作「太陽がいっぱい」を思い出しました。