「携帯のない青春」。酒井順子さんのエッセイを読むのは「負け犬の遠吠え」以来。サンリオ、ユーミン、ドリフと欽ちゃん、竹の子族、金八先生、YMO、角川映画・・など懐かしいワードが続々。時代の空気感を鋭敏に読み取り、解釈し、言葉に表現できる著者の才能にやはり感服します。
日本でマスの人気を獲得する時に絶対必要なものは「下品な魅力」なんだとか。ピンクレディーのそれまでのアイドルになかったガニ股振り付けや、カトちゃんの「ちょっとだけよ」とか、ああいうのに子供は熱狂する・・と。そういえば面白がって観てましたし、今は「うんこ」が流行ってますよね(笑)。また私が子供の頃、口裂け女が流行りました。「エクソシスト」とか「オーメン」とか「サスペリア」とかオカルトが大ブームで。今の時代にその類が流行らないのは、「子供たちは防犯用に携帯を身に着け集団登校する日常があり、いつ変な人に突然殺されるかわからない、という現実の恐怖があるから」なんだそう。なんて重い現実・・ 自分の子供時代は平和だったのだなと改めて思いました。
著者はプロの雀士。麻雀という運と直感が左右する勝負の世界で引退までの20年間一度も負けることが、なかったそうです。そんなことがあるのかと読んでみましたが世間に出ている「運があがる」本とは一線を画すような内容である印象を受けました。一番しっくり来たのは「運とは季節の移ろい、時間の移ろいと同じように移り変わるもの」というくだり。感性を磨くこと、素直であること、本質を見る目を養うこと、広い視野でみること、きちんと生きること、が大事という。他の著作も読んでみたくなりました。
この著者の方、ちょっと口が悪くてげんなりする箇所も。日本人は言われているほど尊敬されていないし、すごいとも思われてない。毛嫌いされているわけではないけど・・それほどでも・・という感じか。「礼儀が表装的でつきあいにくい」というのは妙に共感。私自身も過去に多くの国の人たちと仕事をしてきましたが、そういえば互いに慣れてきて本音で会話できるようになる頃に彼ら外国人がぽろっと言うのは「日本人はもっと効率的で優秀だと思っていたのに・・」などの”日本人には失望したよ”の類のコメント・・。テレビの日本礼賛番組はほどほどに受け止めたほうがいいようです。一方で日本国内よりも世界でより評価されているのは経済関連よりも芸術や文化の分野なのだそうです。
古くは薩摩藩による植民地化に始まり、明治の琉球処分、太平洋戦争時の大本営の対応、戦後は基地問題など。私が認識していた以上に日本人は沖縄に対する差別を行ってきたことを知りました。読んでて胸が痛みました。「日本の路地を・・」も差別がテーマであり大宅壮一ノンフィクション賞作品。人間の弱さ愚かさを突き付けられる感じ。
有働さんのエッセイ。彼女のまっすぐな感じが素敵でした。長嶋監督に「私は阪神ファンなんです」と正直にいってしまったというエピソードも面白かった。ちなみにこれに対して長嶋さんは「僕もそうだったんだよ(笑)」と返してくれたそうです。さすがです。
この本は・・読むのはもうちょっと先でもよかったかもしれない💦
自己啓発書でありビジネス書としても読める内容でした。「ブライダル」という言葉を日本に浸透させたのもこの人。和装全盛時代から洋装ウエディングが主流になる時代がくると読んいたそうです。印象的だったのは「一人ひとりのお客様のニーズを満足させるとともにそのニーズがどのくらい世の中の流れをとらえているか見極めることが大事」というところでした。「世の中のブームはたいていごくわずかな支持者からスタートする。いわばマイノリティという存在だがその支持者が熱狂的になればなるほどメジャーに変化する可能性が高い」と。日本人は不満を伝えずその場を去ることが多いといいます。その声なき声に耳を傾ける努力が必要というところ、大事なことだと思いました。そのほかにも素敵な言葉がたくさんありました。
うつわに興味を持ち始めたのはこの方の本がきっかけでした。素敵な感性を見習いたいです。
「フランス人は10着しか服をもたない」という本を以前とても楽しく読んだ記憶がありました。その続編です。とても素敵な内容でしたが「家でも服に気を抜かない」とか無理無理~💦な感じ。洋服を厳選して良いものだけ10着に絞るという考え方は日々の生活のいろいろなことに応用したいとは思うものの・・・。
左側の本。三重県の関に「而今禾」さんという素敵なお店があります。うつわに興味がなかった頃は有機野菜を使った美味しいお料理を楽しみに伺ったことがありました。こんな本が出ていたとは~。
今月読んだ本は大半を図書館から借りてきているのでどんな本を借りてきていたのか記録のために写真を載せておくことにします。後半の本は写真が半分くらいで「読んだ」といってしまうのはおこがましい気もしますが今月は20冊。