お盆の頃までのあの暴力的な猛暑がちょっと和らいだ気がします。
エジプト学者吉村作治先生の講演会が近くであると知り、
昨日聴講にいってきました。
一時間半の講演の中で一番印象深かったのが
エジプト観光で超有名なクフ王のピラミッドについて、
「ピラミッドは墓ではない」
という仮説を立てておられるという点でした。
根拠はピラミッドから王のミイラ(棺)が発見されたことがないからだと。
その仮説を証明するためピラミッドの外に墓を見つけようとされているそうです。
クフ王のお墓は始皇帝の陵墓くらいの規模ではないかと仰ってました。
また50年以上、エジプトで発掘、研究活動をされてきて、
その間に数々の未盗掘陵墓を発見されているそうです。
パワポ写真で紹介されていましたが、
2005年に発見された青いミイラマスクの人物を示され、
これはオペラ「アイーダ」の登場人物ラダメス将軍の
モデルになった人物ではないかとのこと。
「アイーダ」はエジプトを舞台にした悲恋の物語。
過去に何度か鑑賞しました。
そう聴くとその青いマスクの人物に親しみを覚えてしまいました。
死者の霊が一年に一度この世に戻ってくると考えられていたり、
太陽の沈む西側にお墓をつくったりとか、
いろいろお話を聞いていて古代エジプトの人々の考え方は
昔の日本人のそれとも似ているなあとも感じました。
あともうひとつ吉村先生がぽろっと仰っていたのですが
「博物館は骨董品の店先みたいなものだと思ってた」と。
私を含めて多くの人は都市にある博物館で、
発掘された品がこぎれいに陳列された様子をみて歴史を学びます。
吉村先生や発掘隊の方々はエジプトの広大な空の下、
何千年もの歴史が眠る遺跡という空間の中でそれら歴史の断片に
遭遇する人生を送ってこられたのでしょう、
だからこその言葉なのかな?と。
そのスケール感。想像するだけでもとっても魅惑的でした。(*^-^*)
年縞博物館で9月末まで特別企画展をされているそうです。