
東京旅行2日目。
旧古河庭園で開催中のバラフェスティバルを鑑賞に行きました。
古河庭園は明治時代には陸奥宗光の邸宅、そののちは
銅山経営で財をなした古河家の所有するところとなり、
整備されたという歴史があります。
洋館と洋風庭園はイギリスの建築家ジョサイア・コンドル、
隣接する日本庭園は小川治兵衛による作庭です。
小川治兵衛が作庭した庭園は京都にたくさんあります。
平安神宮神苑とか円山公園とか山形有朋の別邸だった無鄰菴とか・・
知らないうちにきっと訪れているはず。

洋風庭園から階段を降り、同じ敷地内にある日本庭園へ。
視界に入る風景ががらりと変わります。
明るい花に彩られた洋風庭園とは異なり、
しっとりと落ち着いた雰囲気の空間です。

池泉回遊式という中心に池があってその周囲を巡り(回遊)しながら
鑑賞する江戸時代の代表的な庭園形式です。
水際に立つ石灯篭。兼六園もこんな感じですね。

石灯篭は庭園の各所に配されていましたが、お昼間ではなく
夜間に火が灯されている状況を想像してみました。
幽玄的な美しさが感じられて素敵だろうなあ・・と。
洋風庭園は燦燦と降り注ぐ太陽の光が似合いますが、
日本庭園の美は弱い光が作る陰影の中にありそうです。
バラ園をみたばかりだったので
ついそんなことを考えてしまいました。
見どころのひとつ、枯滝です。

水を使わずに山水を表現する枯山水の技法です。
湾曲した川の幅が次第に広がり、
池に流れ込む様子が表現されていますが
その水の動的な勢いを感じられるような錯覚を覚えました。
曇り空だったので色の出方がいまいちですが
大変美しく、外国人の観光客の方が熱心に写真を
撮っておられました。
石橋。

平らな石を二枚、一部を隣接させてつないであります。
結構大きくて立派な一枚石でした。
こんななにげないところにお金がかかってそう。
自然な感じで配したという石組。


庭園は大きな木が枝を四方に広げ、各所に木陰ができています。
ベンチもたくさんあって訪れた人がそこで寛げるようになっている感じ。
日本の美しい自然が古河家の自宅の庭に再現されているかのようでした。
この後で訪れた六義園を歩いていた時も思いましたが
京都の寺社のこじんまりしたお庭を多く観ているためか
東京の庭園って「大きい」!という印象です。
所有者がかつての財閥関係者だったり、
元大名のお屋敷だったりするのでその財力ゆえなのか。
都心にもこのような広大な自然を擁する庭園が
たくさんあることも新しい発見でした。

和洋両方の美しい庭園とバラを鑑賞できて
わずか150円の入園料もありがたいことでした。
次は六義園へ。1km程度しか離れていなかったので
歩きましたーー。続きます。