73~74本目。

原題:Super Size Me
監督:モーガン・スパーロック
監督が自分自身を実験台に、1日3食をマクドナルドのファーストフードにしたら人体にはどんな影響があるかを体験していく異色ドキュメンタリー。肥満症に悩むティーンエイジャーがマクドナルド社を訴え、同社が安全性を主張するニュースを見た監督スパーロックは、「30日間、1日3食、マクドナルドにあるものしか食べない」「スーパーサイズを勧められたら断らない」などの4つのルールを決めてこの過激な実験に挑戦していく。
2004年アメリカ映画。毎日マクドナルドを食べ続けたらどうなるか・・?というドキュメンタリー映画があったことを耳にしていたものの、当時は観る機会なく今に至っていました。実験台となった監督自らの主観だけでなく、実験中は随時検査を受け続け医師や健康管理の専門家らの意見が映されます。同時にアメリカ人の食生活事情、子供たちの通う学校での給食事情、それに伴う生活習慣病のことについてなども解説がありました。
正直、ファーストフードがここまで身体に悪いということがショックでした・・・。一日三食マックのバーガーを食べ続ける監督。初日は美味しそうにバーガーにかぶりつくのですが、数日もしないうちに体調不良を訴え始めるのです。観ている側にも明らかなのは日を追うごとに監督の目がどんどん虚ろになっていき、いわゆる生気みたいなのがなくなっていくんです。体重はあっという間に右肩上がりで体脂肪が増え、筋肉が減って。3週間たった頃に肝機能がかなり悪化して、お医者さんが「命にかかわる!」って警告を出すんです。タバコやお酒と同じように中毒性があることもいわれていました。
その一方でマックに限らず多くのファーストフード企業は年々広告費を増加させ、特に子供たちへの露出を増やすんですね。小さい頃にファーストフードの味を覚えさせれば一生離れないいだろうという思惑があるからです。子供たちも偉人の顔は知らなくてもマクドナルドのキャラだけはすぐに認識します。地道に啓発活動をしている人たちもいるのだけれど、ファーストフード企業らの津波のような広告投資が彼らの情報活動なんてあっという間に飲み込んでしまう感じ。この作品がサンダンス映画祭で上映されたのをきっかけにマクドナルドはスーパーサイズセットをメニューからなくしたのだそうです。
それにしてもアメリカンサイズというのか、コーラにしろ一番大きいサイズって2L近く(1800cc)もあるんですね。どれだけ砂糖が入っているのでしょう。アイスクリーム企業の創業者一族が軒並み早死にしているというのも考えさせられました。

原題:Begin Again
監督:ジョン・カーニー
キャスト:キーラ・ナイトレイ、マイク・ラファロ、
イギリスからニューヨークへとやって来たシンガーソングライターのグレタは、恋人デイブに裏切られ失意のままライブハウスで歌っていたところを、落ち目の音楽プロデューサー、ダンに見出される。ダンに誘われてアルバムを制作することになったグレタは、ニューヨークの街角で次々とゲリラレコーディングを敢行していく。キーラがギターを演奏しながら歌声を初披露するほか、人気ロックバンド「Maroon 5」のアダム・レビーンがグレタの恋人デイブ役でスクリーンデビューを果たした。
2013年アメリカ映画。音楽がずっと背景にある感じで、少し前にみた「ONCEダブリンの街角で」と似た雰囲気の作品だなと思っていたら、同じ監督さんでした。(異性に限らず)人生ではどんなところに素敵な出会いがあるか、またそこから先にどんな素敵な人生が展開しているのかわからない、と思わせる作品でした。高評価なのも納得。心のベクトルが上向きになります。ニューヨークの街中でのゲリラライブ的なシーン、人間同士の有機的なつながりが感じられて、観ている側もとても幸せな気持ちになりました。キーラ・ナイトレイの歌声もきれい。登場人物らみながきっとこれから幸せになるだろうとの予感を感じさせる終わり方です。個人的には「ダブリンの街角で」のほうが好きでしたがこちらもよかった。