71~72本目。

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監督:オリビエ・アサイヤス
キャスト:ジュリエット・ビノッシュ、クリステン・スチュワート、クロエ・グレース・モレッツ

有能なマネージャーのバレンティーヌと二人三脚で日々の仕事をこなすベテラン女優マリアは、自分が女優として成功するきっかけとなった作品のリメイクへの出演依頼を受ける。しかし、マリアに与えられたのはかつて自分が演じた若き美女シグリッド役ではなく、彼女の中年の上司ヘレナ役だった。やがてマリアは、ハリウッドで活躍する若手女優ジョアンがシグリッド役に配役されていることを知る。~映画。com~

2014年フランス・スイス・ドイツ合作。世代が違う3人の女優さんたちの演技がどれも見ごたえありでした。どれだけキャリアを重ねて地位を築いてきても、新進女優のもつ輝き、ぴちぴちで弾けるようなエネルギーと若さの前ではその業績が色褪せ、脆くも崩れてしまうようなベテラン女優の内面的な不安定感が描かれていて。「若さ」とはこれほどまでに強力な破壊力を持つものなのか。でもそれは年齢を重ねたことに憂いを感じ、若さにしがみつこうとするマリア(Jビノッシュ)の主観的世界であるのではないかしらとも思いました。この映画をみながら昔の白黒映画「イヴのすべて」という作品を思い出しました。年老いたベテラン女優が野心いっぱいの若き新進女優にスターとしての地位を奪われるというストーリーだったと思います。現代に生きていることの幸いは女性の価値がこの「若さ」だけに限定されないことなのではと思います。人生を重ねたからこそ滲む人間としての深み、年齢を超えた美しさ、そうした魅力をわかる人が増えてきているのが今の時代なのではないかと。この作品からは後ろを振り返るばかりではなく、前へ進むことが大切・・というメッセージを受け取りました。前に進むことは今の自分を認めることでもあるのではと。

また全体を通して女優という人間の内面世界って非常に複雑でデリケートなのだなとも感じました。役柄と現実世界が融合してしまうような場面もあって。繊細な感性をもつ人だからこそできる職業ですね。それだけに結構生きにくさを覚えることもあるのだろうなとも思いました。ネットでのレビューは5のうち3程度なのですが個人的にはもっと高くてもよいのでは?という感想でした。スイスの美しい大自然も非常に印象的でした。


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監督:本広克行
キャスト:織田裕二、柳葉敏郎、深津絵里、水野美紀、筧敏夫、ユースケ・サンタマリア、いかりや長介、小泉今日子

湾岸署管轄の境界線を流れる川で、腹部に熊のぬいぐるみを詰められた水死体が発見された。時を同じくして、署内では刑事課のデスクから領収書や小銭入れが盗まれる窃盗事件が発生。さらに、管轄内に住む警視庁副総監が身代金目的で誘拐され湾岸署に捜査本部が設置されるが、本部は極秘捜査を進めるばかりで所轄の刑事たちに協力を求めようとしない。そんな彼らに怒りを募らせながらも、水死体事件の捜査に奔走する青島たち。やがて、副総監の身代金受け渡しに失敗した捜査本部が、ついに公開捜査に踏み切ることになり……。~映画.com~

1998年日本映画。大ヒットした作品ですが実はこれ、TV版も映画版も1作も観たことがありませんアセアセ この頃、日本にいなかったということもありますが、過去には娯楽映画もテレビもほとんど観ていなかった時期があり、「踊る大捜査線」などまさにそのひとつです。20年前の作品なのですね。出演者みなとても若いです。キャストがなかなか魅力的なので最後まで見れましたが、ストーリーがそれほど面白いとは思いませんでした。(^-^; 映画の途中で黒澤明監督の名作「天国と地獄」の1シーンを思わせる場面がありましたが、ちょうどこの頃に亡くなった同監督へのオマージュとして挿入されたものだそうです。いかりや長介さんが俳優に転身されて、役者としてもとても味わいのある存在だなと思っていました。もう少し長くいかりやさんの俳優人生を見てみたかったなという思いも残りました。