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5月4日。洛北の実相院の次に向かったのが嵯峨野。
紅葉の名所でもある二尊院を訪れました。
百人一首の歌にも登場する小倉山のふもとに建つお寺です。
このあたり、道が狭くて対向車でも来たら
大変だったかもしれません。

門前の駐車場に車を停め総門へ。
これは伏見城の遺構を移築したものだとか。

総門の先にある参道。100mくらいです。

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まっすぐ伸びた道の両脇にモミジと桜の木が交互に植えられています。
秋は色鮮やかな紅葉のトンネルに。
5月の今は明るい緑に覆われてこれも大変美しい道です。

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本堂へ続く門。かつての勅使門です。

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本堂。優雅なシルエットが印象的。

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二尊院の建立は平安時代に遡りますが、諸堂は応仁の乱で焼失したため
現在の建物は1521年とずっと後年になってからの再建。
京都の歴史建造物ってやっぱりこのイメージが強いです。

本堂から唐門を振り返る。
青空を背景に鮮やかな緑に彩られてとても美しい眺めです。

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本堂脇にある書院、御園亭へ。

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ここは春と秋のみ利用できる茶室があります。
せっかくなのでお茶をいただくことに。

ほのぐらい部屋の向うに見える美しい新緑が目に飛び込みました。
「明るさ」よりもむしろこのくらいの「仄暗さ」のほうが
繊細な美しさを際立たせているような印象を受けました。

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ここは後水尾天皇の第六皇女の御化粧之間だったものを
二尊院に移築したもの。
「御園」とは「御所の庭」という意味だそうです。
お姫様の部屋。やはりとても細やかな造りで、
派手ではないけれど上質の建材を使って贅をつくした
空間であるように思いました。

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緋毛氈の上にモミジが反射してきらきらと。
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本堂のほうへ戻ります。

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とても静かです。
こちらでいただいたパンフレットに
「本当の静寂とは無音ではありません」と書いてありました。
日常生活で聞き逃してしまう木々のゆれ、鳥の鳴声、水の流れ
そうした音が聴こえてくることなのだと。
その通りですね、静寂が与えてくれる癒しはこのような
音にあるのかもしれません。

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この向うは小倉山。

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後奈良天皇のご宸筆。
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御本尊には釈迦如来、阿弥陀如来の二尊がお祀りされています。
二尊院の名の由来はここにあったのですね。

外へ出ます。
緑が白壁に反射して壁も緑色。

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うーん、ここは11月頃にまた戻ってきたいです。

総門横にある甘味処。
「小倉餡」という名もこの地に由来しています。

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嵯峨野のこの周辺は良質な大納言小豆の産地だったのだそうです。
さっきお抹茶いただいたばかりだけれど、
やはりせっかくここまで来たのだからとまたお茶休憩。(笑)

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私はひやし善哉をいただきました。
小豆の茹で具合が絶妙でほどよい歯ごたえを感じる固さ。
めちゃ美味しい。

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目の前のこんな景色を眺めて。

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静寂の日を存分に楽しみました。
とても贅沢な気持ちになれたひとときでした。