
4月4日。この日、二か所目の桜です。
上七軒近くにある千本釈迦堂へ行きました。
間口がとても狭いのです。
こんな立派なお寺が奥にあったとは知らずにいました。
京都の底力おそるべし、ですね


立派な枝垂れ桜が一本、境内の中央あたりに植えられています。

ピークを過ぎているようでしたが、四方に枝を伸ばし
風にゆらゆら揺れているさまがとても美しく見えました。
このお寺については先日、京都本を読んでいた際、
「おかめ塚」について書かれた下りが印象に残り、
機会あれば訪れたいと思っていました。

「おかめ」さんとはこのお寺を建てた時の棟梁の奥さん。
棟梁は大事な柱の寸法を間違って短く切ってしまったんだそう。
そこをおかめさんが枡組を使うというアイデアを出し、
夫の窮地を救ったのです。
おかげで棟梁は切腹沙汰にならず済んだのですが、おかめさんは
「女の提言で棟梁が大仕事を成し得たといわれたら夫の恥」
と、自害してしまったんだそうです。

これを読んで、「えーーーっ!!??
」


と思わずにはいられませんでした。
夫の窮地を救ったところが当時は「内助の功」どころか、
「女の浅知恵」なんて言われかねないなんて。
女性の地位がいったいどれだけ低かったのでしょう。


この建物は創建当時のもの。
応仁の乱の時も手厚い保護を受けて火災を免れたそうです。
現在は京洛最古の建造物として国宝指定。
境内のおかめ塚は彼女の冥福を祈って建てられたものだとか。
彼女の明るく夫思いの人柄が、伝わるような表情です。
現在では「夫婦円満」、「子授け」、「縁結び」といったことに
御利益があるといわれているそうです。

枝垂れ桜は花が繊細で優しく、控えめな奥さんを忍ばせる感じがします。
美しい桜を眺めながら、それでも気持ちの収まりが付かないというか
もやもやとした感じが残りましたが(苦笑)。

満開の桜をあとに、この次はバスに乗って祇園の円山公園に向かいました。
続きます~。