43~44本目

原題:THEHOLOGRAM FOR THE KING
監督:トム・テイクヴァ
キャスト:トム・ハンクス、アレクサンダー・ブラック、サリタ・チョウドリー
大手自転車メーカーの取締役アランは、業績悪化の責任を問われて解任されてしまう。家も車も失い、妻にも見捨てられ、娘の養育費を稼ぐためにIT業界へ転職するアラン。そんな彼に、サウジアラビアの国王に最先端技術の3Dホログラムを売り込むという一大ミッションが課される。こうしてはるばるサウジアラビアの砂漠までやって来たアランだったが、オフィスはただのオンボロテントでWi-Fiもつながらず。プレゼン相手の国王はまるで掴まらない。上司からのプレッシャーで、ついには身体も悲鳴をあげてしまう。そんな中、お調子者の運転手ユセフとの間に奇妙な友情が芽生えていくアランだったが…。〜All Cinema~
2016年アメリカ映画。トム・ハンクス演じる主人公がサウジにいって多くの異文化体験をして最後はそこそこハッピーエンドというような映画。ちょっと辛口感想になりますが、ストーリー自体は退屈であまりメッセージ性もないような感じでした。自分のことですが昔、アラブ人の友達やご近所さんがいて彼らと一時期ディープな交流があったことがあり、当時のことを思い出しました。時間にルーズ。言っていることがいい加減。突然のお祈りタイム。ひとなつこい人たち。男女の厳しすぎるくらいの区別。西洋的な価値観で生きていると全てが強烈なカルチャーショック。




監督:岩井俊二
キャスト:黒木華、綾野剛、Cocco、原日出子
2016年の東京。派遣教員として働く平凡な女性、皆川七海。ある日、SNSで鶴岡鉄也という男性と知り合い、そのままトントン拍子で結婚へと至る。結婚式に呼べる友人・親族が少ない七海は、代理出席の手配を“なんでも屋”の安室に依頼する。しかし新婚早々、夫の浮気疑惑が持ち上がると、反対に義母から七海が浮気を疑われ、家を追い出されてしまう。行き場もなく途方に暮れた七海は安室に助けを求め、彼が斡旋する怪しげなバイトを請け負うようになる。やがて、豪邸で住み込みのメイドとして働き始めた七海は、謎めいたメイド仲間、里中真白と意気投合、互いに心を通わせていくのだったが…。〜All Cinema~
2016年日本映画。しばらく余韻が後を引くような映画でした。3時間もある長尺なのでなかなか観る気になれませんでしたが、すっかり引き込まれました。SNSで簡単に人と繋がれる割には実際の人間関係が希薄というようないまどきの物語なのかもしれません。殺伐とした現代の闇を感じました。途中まで主人公の女性のあまりにもの思慮の浅さ、主体性のなさにげんなりしながら観ていました。でもこの主人公の姿を見ながら、他人を簡単に信用せず、世の中をより賢く、要領よく生きることが是とする考えに私自身が染まっているのかしらとふと鏡を見せられているような気持ちに。最後に印象に残ったのがCoccoさん演じる真白の無垢な笑顔。裏の感情のない生き下手な彼女のことをとても愛しく感じたのでした。
「リップヴァンウィンクル」というのはアーヴィングというアメリカの小説家の書いた短編小説だったと思います。現代版の「浦島太郎」みたいな話です。なぜこのタイトルなのかしらとずっと考えていましたがそこのところはよくわかりませんでした。