33~34本目。

イメージ 1

監督:黒澤明
キャスト:仲代達也、山崎努、萩原健一、根津甚八、大滝秀治、隆大介、油井昌由樹、桃井かおり、倍賞美津子etc.

武田信玄の影武者として生きた男の悲喜劇を荘厳にして絢爛な映像で描く。戦国時代。家康の野田城攻めの折り、鉄砲で撃たれこの世を去った武田信玄。弟信廉は信玄死すの報を打ち消すため信玄の影武者を立てる。男は盗みの罪から処刑されるところを信玄と瓜二つだったことから助けられたのだった。だが男にとって戦国の雄・信玄として生きることはあまりにも過酷だった……。〜All Cinema~

1980年日本映画。観る人によって評価はまちまちかもしれないですが個人的には圧巻のクロサワ映画でした。武将たちの姿に大変威厳があり、エキゾチックでわかりやすいかっこよさがありました。斜め下方向から撮影した馬上の武士たちの姿は外国人が憧れる「サムライ」の姿そのものではなかったかと。信玄(偽信玄も含め)の脇をかためる重鎮たち、とりわけ山崎努さん、大滝秀治さんが素晴らしかったです。また武将の中では隆大介さんの信長がイメージにぴったりであったように思います。無名塾出身の俳優さんだそうですが、これまで信長を演じてきた役者さんの中で一番はまっていました。またロケ地に姫路城や熊本城など日本を代表する城郭が使われています。特別な許可をとって撮影したそうですが、本物だけにそのゴージャス感も他の作品ではなかなかない感じ。伊賀上野城も高天神城として登場します。リアルな感じを出すためにお濠の水を抜いて撮影したそうですが高いことで有名なここの石垣が更に峻厳にみえました。上杉謙信の春日山城として雪景色の彦根城が出てきました。姫路城は信長の居城(岐阜城?)として。この大広間はどこでロケしたのかしらと考えながら観るだけでも楽しいです。この映画については当初予算についての問題があったそうですが、ジョージ・ルーカスとフランシス・コッポラの支援で20世紀フォックスからとりつけ、世界上映ということになったそうです。予告編で外国版撮影の場にジョージ・ルーカスとコッポラ両監督が立ち会っている姿が映っていますが、黒澤監督の巨人感がこれだけでわかるよう。また有名な話として、仲代達也さんが演じられた信玄(偽信玄)役、当初は勝新太郎さんで撮影が開始されたそうです。でも監督といろいろあって降板になり、仲代達也さんになったのだとか。信玄の肖像画からすると勝新さんのほうが似てるかな?という気もするけれどどうだったのでしょう。3時間超もあってかなり長尺作品ですが、絶えずいろんなことが起こって面白く、飽きずに観られました。家臣を欺けた偽信玄も子供と馬には見破られてしまうというオチも。その人の器って経験と環境が作るのかなと思いました。



イメージ 2


監督:黒澤明
キャスト:三船敏郎、加山雄三、山崎努、団玲子、香川京子、杉村春子、志村喬、笠智衆

江戸時代の小石川養生所を舞台に、そこを訪れる庶民の人生模様と通称赤ひげと呼ばれる所長と青年医師の心の交流を描く。長崎で和蘭陀医学を学んだ青年・保本登は、医師見習いとして小石川養生所に住み込むことになる。養生所の貧乏くささとひげを生やし無骨な所長・赤ひげに好感を持てない保本は養生所の禁を犯して破門されることさえ望んでいた。しかし、赤ひげの診断と医療技術の確かさを知り、また彼を頼る貧乏な人々の姿に次第に心を動かされていくのだった……。〜All Cinema~

1965年日本映画。これも3時間超の作品ですが面白く鑑賞しました。勧善懲悪のシンプルなストーリーにわかりやすいキャラ設定、複雑なものがない作品です。でも扱っている病人には精神の病を持つ人が多く出てきてなんとなく現代に通じるものも。貧しい人々を救おうとする赤ひげ先生の姿はヒューマニズムにあふれる感じ。でも主役はどちらかというと若き日の加山雄三さんだったようです。若い頃の加山さんの爽やかな男前さにはびっくり。今でも人気があるのはこんな素敵な人だったからなのかしら。エリート志向一辺倒だった青年医師が、人を助けるという医師本来の仕事に目覚める過程に共感を覚えました。でも赤ひげ先生の存在あってこそで三船敏郎んの存在感はやっぱり素晴らしいです。