9〜10本目。

監督:佐々部清
キャスト:中村蒼、大塚千弘、青柳翔、山本美月、井上順
親の仕送りでお気楽な毎日を送っていたごく普通の大学生・時枝修は、ある日突然大学を除籍されてしまう。父親が借金を作って失踪し、授業料が未納となっていたのだ。当然仕送りも止まってしまい、アパートも追い出される羽目に。あっという間にネットカフェ難民となり、日払いのバイトでどうにか食いつなぐ日々。挙げ句の果てには、騙されて入ったホストクラブで高額の請求を払えず、下っ端ホストとしてこき使われる修だったが…。〜All Cinema~
2013年日本映画。最後までひきつけられて観てしまいました。一度つまづいたらそれきりどんどん転落してしまう現代社会の一面を描いた作品です。この話はかなり極端な例だとしても他人事と思えない怖さがありました。
主人公の男の子、何も21や22でホームレスになることはないのに、とも思ったのですが。日本は一度レールから外れてしまうと元に戻れず、多くの場合は下方に落ちるだけというのは本当にありそうです。そして世間は弱者に対して徹底的に冷たいですね。底辺ではそういう弱者を更に食い物にするビジネスがはびこり、なんだかもう骨までしゃぶりつくされるような感じ。あそこまで堕ちても、主人公が心までは蝕まれず、思いやりのあるキャラであったことになんだか救われた気も・・・。


原題:LION
監督:ガース・デイヴィス
キャスト:デヴ・パテル、サニー・パワール、ルーニー・マーラ、
ニコール・キッドマン、
優しい養父母のもと、オーストラリアで何不自由なく育った青年サルー。友人や恋人にも恵まれ、幸せな日々を送る彼だったが、ひとつだけ誰にも言えない悲しい過去があった。インドの田舎町に生まれたサルーは5歳の時、不運が重なり兄とはぐれ、たったひとり回送列車に閉じ込められて、遥か遠くの街コルカタに運ばれてしまう。そして言葉も通じない大都会で過酷な放浪の末に、オーストラリア人夫婦に養子として引き取られたのだった。ある時、サルーの脳裏にこれまで押しとどめていたそんな少年時代の記憶が強烈によみがえる。インドの家族への思いが募り、わずかな記憶を頼りに、Google Earthで故郷の家を見つけ出すと決意するサルーだったが…。〜All Cinema~
2017年オーストラリア映画。奇跡のような話なのですが実話に基づいているそうです。幼児期のかすかな記憶とGoogle Earthのおかげで生き別れになった母と再会できたという。母の子への愛と子の母を求める気持ちが両者を引き合わせたのだと思いました。タスマニアの養父母の人たちが人間的に大変立派であることにも感銘を受けました。ああ観て良かったなとじんわりとした感動を覚える作品でした。怪我をした5歳のサルーが母のもとへ走っていくシーンは思い出すたびにこみあげてくるものがあります。お母さんの腕に飛び込んで思い切り泣きたいサルーの気持ちが伝わってきて。
冒頭からの空撮の映像も印象的です。オーストラリアのカメラマンにはこういう映像のセンスが秀逸な人が多いそうです。(強い太陽の光の下、地平線まで広がる美しい風景を小さい頃からみているからかしら?)なのにそういう人たちは殆どハリウッドにヘッドハントされていってしまうと現地にいた頃に聞いたことがありました。いまは彼らも母国の映画に貢献しているのかしら・・


