87、88本目。

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監督:松岡錠司
キャスト:小林薫、河合青葉、池松壮亮、キムラ緑子、etc.

繁華街の路地裏で、深夜になると開店する小さな食堂。メニューは酒と豚汁定食だけながら、注文すれば出来るものなら何でも作ってくれる。そんな“深夜食堂”には、今宵も店ののれんをくぐって、ワケありの客がやって来る。「焼肉定食」――ある夜、喪服姿の常連客でいっぱいの店に、もうひとり喪服姿の女性が現われた。しかし彼女は、喪服を着るのがストレス発散という一風変わった女性だった。ある時、喪服が似合う中年男性と出会い、心惹かれていくが…。「焼うどん」――近所のそば屋の息子・清太は、年上の恋人さおりとの結婚を考えていた。しかし子離れできない母に、なかなかそのことを切り出せず…。「豚汁定食」――九州からやって来たという老婦人。事情を聞いた常連客はどうやらオレオレ詐欺に遭ったようだと心配する。するとそこへ、義弟が迎えにやって来るが…。〜All Cinema~

2016年日本映画。ドラマ版はアイロンがけ家事の合間に日々少しづつみて、先日ようやくエピソード3の終わりまで観終わりました。アマゾンプライムではエピソード4はまだ観ることができず、なんだかこのドラマが日常生活からなくなるのがとても寂しいと思うこの頃。

映画版の続編を観ました。ドラマの延長のような感じです。前回よりも情緒的な感じがしました。誰もが自分の中に人には言い辛い影をもっていて。食堂の雰囲気が昭和的で、とても人間くささを感じるドラマなのですが同時に観ている側にほっとさせる温かさを感じさせてくれます。毎回出てくるお料理については「かもめ食堂」、「南極料理人」を担当された方がフードスタイリストをされているのだとか。

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原題:MYSTIC RIVER
監督:クリント・イーストウッド
キャスト:ショーン・ペン、ティム・ロビンス、ケヴィン・ベーコン

ジミー、ショーン、デイブの3人は少年時代、決して仲が良いわけではなかったがよく一緒に遊んでいた。ある日、いつものように3人が路上で遊んでいたところ、突然見ず知らずの大人たちが現われ、デイブを車で連れ去っていってしまう。ジミーとショーンの2人は、それをなすすべなく見送ることしか出来なかった。数日後、デイブは無事保護され、町の人々は喜びに沸くが、彼がどんな目にあったのかを敢えて口にする者はいない。それ以来3人が会うこともなくなった。それから25年後。ある日、ジミーの19歳になる娘が死体で発見される。殺人課の刑事となったショーンはこの事件を担当することになる。一方、ジミーは犯人への激しい怒りを募らせる。やがて、捜査線上にはデイブが浮かび上がってくるのだったが…。〜All Cinema~

2003年アメリカ映画。陰鬱な気持ちで観終わる作品でした。でも「あと味が悪い」という一言の感想だけで片づけてはいけないような、何かの問題を突きつけられているような感じがする内容でした。名優3人の演技でずっと気持ちが惹きつけられたままに。同年のアカデミー賞では作品賞、主演男優、助演男優、助演女優、監督、脚色の6部門で、カンヌ映画祭ではパルムドールを受賞しているとのこと。それも納得できる深いメッセージ性のある作品だと思います。主役のショーン・ペンも凄みがあったけれど、ティム・ロビンスの廃人ぶりもすごかった。

この映画の中でイーストウッド監督は何を伝えたかったのだろうかと観終わった後で考えてしまいました。印象深かったのはなんだか人物が皆、誰もが自分のことしか考えてないというか、エゴが強すぎて、観てて辟易気味になったこと。ジミーもそうだけれど、彼の奥さん役など特に。自分さえよければの典型ではないか。ティム演じるデイブだけがなんとなく生き下手というか、正直すぎて損している感じでした。この作品は時代の空気への警鐘だったのかとも考えました。