
神戸からの帰途、兵庫県立美術館で開催中の
プラド美術館展を鑑賞してきました。
都会の美術館で、こんなメジャーな企画展だと
かなり混んでいるのではと危惧していましたが
思っていたほど混雑はなく、一点一点の作品を
ストレスなく鑑賞することができました。

海外美術館の企画展にしては珍しく、
圧倒されるような大型絵画が多くて
ヨーロッパの美術館の巨大な空間を疑似体験するような
雰囲気がありました。
ベラスケス作品が7点もありました。
若くしてフェリペ4世時代のスペイン王室付き
宮廷画家となったバロック美術を代表する画家です。
これだけのまとまった数のベラスケス作品が
貸し出されるのは珍しいそうです。
このほか、フランドル絵画、イタリア絵画など全部で70点くらい。
ジャンルも宗教、神話、静物、風景など多彩で
スペインの黄金時代を想像させるようなスケールの大きい企画展でした。







一部の展示作品です。ネットから画像をお借りしました。

ムリーリョ 「小鳥のいる聖家族」
聖家族というからには真ん中がキリスト、
父ヨセフと母マリアという構図なのですが
宗教画というよりは普通の家庭の家族団らんの様子のよう。

ベラスケス 「マルス」
マルスは軍神。夫のいる女神ビーナスと浮気をしていました。
彼女の夫にそれがばれてしまった時の茫然とした表情。
神という高みにいる存在ではなく、
肌に疲れもみえる弱った中年の男性の姿という感じで
マルスを描いています。

フランシスコ・デ・スルバラン 「磔刑のキリストと画家」

アントニオ・デ・ペレーダ 「聖ヒエロニムス」
この辺の多くの作品をみて感じたのが
光と影の鋭い対比。そして迫るようなリアリズム。
緻密な部分も丁寧に深く描写されている感じ。
一番上の王太子の騎馬像も背景がとても写実的です。
とても素晴らしい展示の数々でした。
近くだったらもう一度観に行きたいほど。







兵庫県立美術館を訪れたのは今回が初めて。
コンクリート打ちっぱなしの特徴的な建物は
安藤忠雄氏の設計。


1Fのカフェで遅い目のお昼ご飯。

絵画と安藤さんの建築と両方みれて充実した時間でした。