





久しぶりに映画を観ました。
カンヌ国際映画祭で最高賞である
「パルムドール」を受賞した作品です。
映画の中で人物ひとりひとりの姿を追いながら
このひとたちは人生のどこかでボタンを
掛け違えてしまったのだろうか、と考えていました。
その弱さゆえ、しっかりと人生の足元を固めきれず
流されて、流されて、社会の底辺まで堕ちてしまったのか。
弱い立場におかれた人は他人の心の痛みに敏感で優しい。
以前なら弱い人間を守るセーフガードが社会にありました。
そういうのがこの20年くらいで壊れつつあって。
どこかの貧しい国ではなくて、
日本の東京の片隅に住むひとたちの物語。
今の社会には弱者の居場所がないという切ない現実。
各所で感じたのは貧困こそ諸悪の根源だということ。
かつて「清貧」という言葉があがめられていましたが
それは基本的な衣食住が維持されていた頃のこと。
作品には格差社会を助長させた現政権やグローバル化への
強い批判が込められているようにも感じました。




