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この週末、福井市嶺北にある一乗谷を訪れました。
寒の戻りでこの日はとても冷たく、
高速を北に走っている途中で
「ユキ⛄情報」の表示も!(・.・;)

幸い雪に降られることは免れたものの
ダウンコートがいるような寒さの中で震えながらの観光に。

まだ桜も満開で美しい眺めでした。

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一乗谷の地形は細長い谷に沿って城下町と館跡、背後の山に山城跡があります。
戦国時代の朝倉氏5代103年間、人口1万人を数え、
当時は全国有数の大都市でした。

応仁の乱などで荒廃した京から公家や文化人らがこの地へ逃れてきていたため、
「越前の小京都」と呼ばれていたそうです。


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今はとてもきれいに整備、保存されていますが、
実は発掘される昭和40年代まで土に埋もれていて
一帯が農地に使われていたそうです。

昭和40年代って日本の歴史からするとごくごく最近のこと。
それにちょっと驚きました。

この川は発掘前、もっと幅が狭く、川沿いの道は公道として
バスが通っていたそうです。
石垣もその大部分が地中に埋もれ、農家のひとはその石垣を
田んぼの区切りにして畦道のようにその上を歩いていたとか。
「日本のポンペイ」と呼ばれているのもそういう経緯があってのことか。

有名な唐門。ちょうど薄墨桜が美しく咲いていて
なんとも良いタイミングに
ここを訪れたものかと思いました。(*´ω`)


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ボランティアガイドさんによると、実際にはこのエリアは
織田信長が攻めてきた時に全て焼き払われてしまっており、
朝倉氏の遺構ではなく、江戸時代に再建されたものだそうです。

城館跡から想像される復元模型の写真です。

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雅やかなシルエットの屋根、京都の公家屋敷みたい。
桜の横は石で組んだ庭園。

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ここもずっと土に埋もれていたらしい。
出土した時の驚きを想像してしまいます。

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池の中にはうじゃうじゃとおたまじゃくしがいました。
これ以上はアップにできないほど水が黒々・・・
夏になったら煩そうです! (*´ω`)

少し高いところから城館跡を見渡してみます。
敷地面積は6500㎡、三方を土塁と濠で囲まれています。
常御殿、主殿、会所、茶室、花壇、蔵などが生前と整備されている様子が
はっきりとわかります。

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これは花壇の跡。↓↓
なんと日本最古の花壇なのだとか。
真ん中に石が置いてあるのは
花の世話をする庭師さんがここを歩けるようにしたもの。
庭の向うの景色も見られるように花は高さの低いものが
生けられていたようです。
残された花粉でどんな花がいけられていたかも
わかっているそうです。
菊とか萩とかだったかな。

花壇沿いの石も常御殿の側から庭を観ると
すっきりとした石が並べられ
洗練した外観になるように配慮されていました。

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ボランティアのガイドさん、とても説明が詳しくて
わかりやすい案内をして下さる方でした。
興味深いお話をたくさん伺いました。
忘れないうちにそれらもここにとどめておきます。

朝倉氏は時の足利将軍を招いて観桜の会も催したそうです。
その時にどんなお膳が出され、饗応した武将が誰だったか、とか
そういう詳細な記録もわかっているのだとか。
城館跡には糸桜と呼ばれる枝垂れ桜がたくさん咲いています。
武士の間で「枝垂れ」というのは
語感がよろしくないということで「糸桜」と呼ばれるそうです。(^-^;


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ちょっと移動して別の庭園を散策。
こちらは湯殿跡庭園だったか。

ひとまわり大きな石庭です。
ここにはつい最近まで大ぶりの桜の古木の枝が前に垂れていて
満開の時は花の間から庭を眺めることができとても情緒あったそうです。
つい最近というのも訪れる数日前の強風の時に折れてしまったようでした。
枝の残存部分をちょっと入れて撮影。
発掘される前、ここは芋畑だったのだそうです。
石とかも勝手に移動されているみたい。(^-^;


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最後に諏訪庭園。5代目当主朝倉義景の
4人目の側室のために作ったお庭。
諏訪氏というのは若狭武田家からお嫁にきているからのようです。


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城館跡を中心にぐるっとハイライトだけみて周りました。
お城自体は当時は山城だったのでそこに行くには
400mくらい登らないといけない。
猪などが出る可能性もあり、やはり軽装では不可だそうです。
資料館の方も3回くらいしか上ったことがないと仰っていました。(^-^;

これら遺跡群がほんの50年前まで地中に埋もれていたと思うと
なんだか静かな感動を覚えます。
大変見応えのある場所でした。行って良かった!
次は復元された武家屋敷を紹介します。(#^^#)