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3月12日に奈良、東大寺でとり行われるお水取りに先だち、
同月2日に小浜の若狭神宮寺~鵜の瀬(うのせ)で行われる
「お水送り」の御神事を観に行ってきました。

毎年、春を告げる奈良のお水取りで使うお水(閼伽水)は
若狭の地で汲み上げられ、送られたものという伝承があるそうです。

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人口わずか3万人のこの小さな街で
こんなに壮大なご神事をやっていたとは!
今まで知らずにいて損した気分!(笑)

見学した様子の写真を時系列でアップします。
当日は13時過ぎの弓打ち神事から見学可能でしたが
この日はお昼間でも最高気温8度という寒さ。夜はもっと寒い。
私たちは夕刻の神宮寺堂内~境内で行われる修二会(しゅにえ)から参加しました。

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夕方6時半頃。
日没と共に周囲は暗闇に包まれました。
境内がこの時間、とても静かになったかと思われたのですが・・・
次の瞬間、突然、堂内に赤々と炎の色が見えました。
炎が勢いよく動いている様子が感じられます。
わあすごい・・・。
というか初めて目にする光景にぽかんとなってしまいました。

赤色か紫色か、そんな色の衣装をまとった僧侶の方が現れました。
両手には大きな松明(達陀松明と呼ぶそうです)を抱えてみえます。

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松明を大きく振り回し、魔を払う動作か。
そのまま回廊の両側へ移動し、炎が大きく動いています。
火でこの空間を清めているようにみえました。

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この時、灯りは炎と月光だけ。
神事の間中、法螺貝の音色が通奏低音みたいな感じで空間に響き続けています。

千年前もこんな雰囲気だったのだろうかと思うほど
なんとも幻想的、神秘的。
堂内のお清めが終わった後、
舞台は境内に設けられた大護摩壇に移ります。

四隅に結界が張られた大護摩壇の周囲では四方向でそれぞれ
修験者による斧の大事、法弓大事、宝剣大事といった儀式が続きます。
魔物を矢や剣、斧で切り伏せているようにみえました。

こういうのをみるとやっぱり見えないけれど
存在する力というのがあるのだなと感じます。

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火がつきました!すごい勢いで煙がモクモクと。

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煙は瞬く間に高い空に舞い上がり、真っ赤な炎が燃えだしました。
その高さは一気に10メートルくらいに!

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視点を更に上に移動させると闇の中にパチパチと火花が。
静かな闇の中では炎のメラメラと燃える動きが際立っていて
炎と一体化して本当に何かが存在しているかのよう。
見ている方も炎の勢いにあわせて気分が高揚してくるのを感じます。

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数人(多分6人くらい)の人たちが巨大な松明を抱え、それに火を移しています。
これがご神体なのだそうです。



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この火を横にしたまま大松明は運び出され、2km離れた鵜の瀬へ向かいます。
法螺貝を抱えた山伏の人たちを筆頭に大松明のひとたち、ご神事のひとたち、
念師、堂師、先ほどの弓や剣をもった人たちが続きます。
この光景も圧巻でした。でもその写真撮り忘れてしまった。

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これも松明。やっぱり数人がかりで抱え上げる大きなものです。
大松明の半分くらいの長さ。企業名が書かれていたりしていました。

その後に一般参加者の手松明が続きます。その数、3千人だとか。

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私たちもこのあたりに紛れ込んで、鵜の瀬へ向かって歩きだしました。
炎は全て松明のものです。

月あかりと松明の灯りだけの空間はとても荘厳な雰囲気。
山の稜線が月あかりだけでこんなにくっきりと見えたことに感動しました。(*´ω`)

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御神事の場所はこの後、鵜の瀬の水際に移ります。
今度は水と炎が空間を埋め、クライマックスに。
長くなるので一端ここで切ります~。