イメージ 1

青空がみえた立春の今日。
水色に雪景色の山の姿。
凛とした空気に包まれてなんとも清々しい眺めです。

年初の目標で「月に一度はアート、カルチャー系のものに触れる」
としたものの、1月は何もしないうちに過ぎ去ってしまいました。
いきなりの遅れ挽回のため(?)、
福井県立若狭歴史博物館に行ってきました。(*^-^*)

イメージ 2

平成26年にリニューアルオープンしたという当博物館、
二階建てのとても立派な建物でした。駐車場もあります。

イメージ 5


企画展として「お水送り」の展示がありましたが、こちらはちょっと期待外れ。
それよりも常設展が思いのほか素晴らしく、非常に充実した見学になりました。

興味深かったのは「若狭の祭りと芸能」のコーナーです。
遠い昔からこの地に伝わるお祭りの様子がジオラマ風に再現されていました。
赤、青、緑・・・など、その色彩は非常に鮮やかで、祭礼の様子なども
大陸の影響が色濃く残っているように感じました。
韓国や中国、台湾で目にした色彩と非常にだぶるのですね。

その一方で各地区に伝わる「王の舞」という
京都の影響が色濃いものもあったり。

あと印象に残ったのが南蛮屏風世界図、日本図です。
小浜で回船問屋をしていた人の子孫の方が元所有者だったとのことですが
16世紀頃に制作されたのだそう。

イメージ 3

ポルトガル人から献上された世界地図をもとに
描かれたものらしいですが、
ポルトガルから世界各地への航路が示されています。
世界図は現在の地図にかなり近い形をしていました。
現在は県の重要文化財だそうです。

隣の「若狭のみほとけ」コーナーも充実していました。
若狭がこんな仏像密集地帯だと知ったのもこちらに来てからですが
ここには文化を創り、発展させるに足るだけの財も存在したことが伺えました。

そして・・・一番の目玉はこれだと思います~。

イメージ 4



ドイツ人医師ヨハン・アダム・クルムスが著した
医学書「Anatomische Tabellen」。
オランダ語版「ターヘルアナトミア」を江戸時代に
日本語訳したのが杉田玄白で
小浜藩の藩医でした。
この博物館では「解体新書」の原本が常設展示されています。

教科書で観たあの表紙絵がそのまま目の前に。
西洋語から日本語への本格的な翻訳はこれが日本初。
すごーい。(゚Д゚;) 

一字一字がとても丁寧に記され、レ点、一二点も。
内臓の図なども細かい部分まで模写されており、
その横に日本語訳が付してありました。
この時代、コピー機がなかったのですから
それは大変な作業ですね!

誰も試みなかった初めてのこと、その苦労は計り知れないものがあったと想像します。
同時に未知のものに出逢い、それを世に送り出す時の高揚感はどんなだったでしょう。
展示をじっと見ながらひとりでいろいろ想像しました。(^-^;

       ************

この辺はどこに行ってもそうですが、こんな立派な博物館なのに
お客さんは殆どいませんでした。
たった300円の入館料でこれだけ充実した展示がみられるとは・・・
本当にお値段以上です。
旅行でこの地を訪れる方がいらしたらぜひ寄ってかれたらと思い記事にしました。