
今回は明通寺を訪れました。
小浜市内から車で15分くらいのところにあります。
ここも静かな山の中に佇むお寺さんという
風情ただよう場所でした。

若狭地方でお寺や神社にお詣りしていても普段はあまり人をみかけません。
いても1~2組。2回に1回くらいは貸し切り状態です。(^-^;
わずかの時間でしたがこの空間を自分だけで独占して
なんとも贅沢な時間を過ごすことができました・・・


創建は806年。

最近知ったのですが参詣にきたら
帰り道に鐘をついてはいけないそうです。
(戻り鐘といって縁起が悪いそうです!)
なので、境内に入ってまず鐘を突きました。
ごおぉぉ~~ん・・・と静かな心地よい音が
周囲の山に音が染み込んでいくような感じがしました。

拝観料400円を納めて本堂へ向かいます。

杉木立に守られるかのようにたたずむ本堂と三重塔が現れました。

若狭地方では大変古い建物が多く残されていることに感銘をうけます。
この2つの建物は鎌倉時代中期のもので福井県唯一の国宝指定だそうです。
京都にもたくさんの寺社仏閣がありますが
応仁の乱で焦土になったりしているので
現存建築の殆どが江戸期、いや幕末~明治以降に再建されたものです。
なかなかこんな古い建造物を目にすることはありません。


本堂では中に入り、畳に座って住職さんから
お寺の歴史、仏様のことなどについて話を伺いました。
こちらの仏様もかつては33年に1度しか公開されない秘仏だったそうです。
前住職の決断で常時公開されるようになったとか。
本尊は薬師如来です。
仏教界のお医者様なので左手に薬壺を持ってみえます。
この地の他の仏様と同じく
長らく空気に触れず守られていたので
非常に状態が良いのですね。
もともとはこんな色がついていたのかというのがわかるくらいで
お顔に描かれているヒゲまできれいに残っていました。
薬師如来像って男性だったのですね~(*''ω''*)
三重塔は外側からだけ。

一番栄えていた頃はこの山に25もの宿坊があったそうです。
お寺に至るまでの地名にも「門前町」などそれを推し量れる名がついていました。
山一帯に広がる大変大きな寺院だったのでしょう。

お昼間なのに喧騒から離れたこの場所はとても静か。
境内にいる間中、ずっとBGMのように聞こえてくる川の流れる音が
唯一の音でした。それくらい静か。
この左側の建物の中に不動明王像が安置されています。
明通寺に伝わる4体の国指定重文のひとつです。

中にはあがれないので外から明王様を拝むばかりでしたが
大変力強いそのお姿はこの日、拝見した仏像の中では一番印象的でした。

そこかしこに秋の気配。



小浜市指定のかやの木。