
感想をひとことでいうと・・・
「期待外れ」でした。(T.T)
原作は司馬遼太郎さんの同名の小説。
人物の心情描写、駆け引き、計算などが巧妙に描かれていて
非常に面白く、司馬さんの作品の中でもとても好きなものです。
これが映画になったら違いました。
全巻1500頁を超える小説の内容を
わずか2時間半の中に無理やり押し込んだ感があり、
セリフ多すぎ、登場人物多すぎ、テンポ早過ぎ・・・と
全体がパッチワークみたいな仕上がりとでもいうか。
登場人物の多さ故の弊害か、
ひとりひとりの人物描写が希薄すぎて、
結局誰も印象に残らなかったという。
主役の三成については岡田准一=官兵衛のイメージが強く、
熱い内面だけが随分出ているような感じでいまひとつでした。
三成の周りから嫌われる理由、「才気走ったイヤミな秀才」
というところが出せてなかったように思います。
主人公は視聴者の共感を呼ばないといけないから
強く出せなかったのかもしれないですね。(^-^;
大谷刑部との友情や秀吉の島津攻めの時のエピソードなども思い返すと
このひとは優しい内面ももった人だし、
亡き主君に対する忠誠心が強く「義」を大事にした人だと思うのですが
そうした描写も映画の中では埋もれているような感じでした。
あの大きな戦で武将たちを東と西に分けた流れが描ききれてなかったのも残念。
直江兼続や大谷刑部がどんな考え方の人でなぜ三成に共感していたかも
ちょっとわかりにくかったです。
小説のエピソードをこれでもかというくらい無理やり押し込んでいるわりには
決定打になった小山評定の場面は省かれていたのも疑問符。
関ヶ原の戦いは東西合せて15万(orもっと?)が激突した日本史上まれにみる大合戦。
なのに映されるのは小競り合いばかりで迫力がいまひとつ。
ただでさえてんこもりで消化不良なのに有村架純ちゃんのような
忍びはストーリーの中では邪魔な感じがしました。
映画の始まりの部分に律儀に挿入されている
原作者の子供の頃のエピソードもいらないかと。
立派な俳優さんがたくさん起用されていて原作も素晴らしいのに
それらが生かされておらず残念でした。
先週訪れたばかりの姫路の書寫山のお寺が迫力いっぱいで
登場していたところは楽しめました。(*^-^*)