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カミュはフランス領アルジェリア出身の小説家であり哲学者。
カミュといえばその作品は「不条理」の概念が特徴と言われています。
あらすじも有名でこんな感じ。↓↓

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このあらすじ、全く意味不明。"(-""-)"

もしかしたら抽象絵画を鑑賞した時のように
わかったようで結局わからない内容なのではないかと
長い間敬遠していました。

が、読み始めたら面白くて、やめられない。深夜まで読みふけってしまいました。
社会から当然と期待されていることと違う言動をすると
周囲は敵になってしまう。その敵は自分から何らかの異質なものを
みつけようとする。「異邦人」とは彼らを前にした自分の姿だという。

印象的だったのはカミュの人間に対する心理洞察の鋭さ。
人間の中にある忌むべき感情、それがふと表面に出るのを
認めた時のぞっとする感覚。

太陽光が眩しいアルジェリアが舞台です。
読んでいて頭に浮かぶ光景は鮮やかな色彩と
その明るさと反対の音のない無声映像でした。
人間の心の不可思議さを想いました。
その深い深い闇も。

アルベール・カミュはタレントのセイン・カミュさんにとって大叔父に
あたるそうです。それもちょっと驚きました。(^-^;

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子供の頃に「窓ぎわのトットちゃん」を読んで以来の黒柳さん。
テレビにも毎日のように出演されていますが、
ユニセフの親善大使でもいらっしゃいます。
小さい頃からトットちゃんと呼ばれていた黒柳さんが
親善大使として初めて訪れたタンザニアで、スワヒリ語で
子供のことを「トット」というのを知ったそうです。
非常に印象深いエピソードです。

親善大使として訪れたアフリカやアジアの現状や
子供たちが置かれている状況を黒柳さんの目を通して書かれています。
繰り返し、彼女が訴えておられるのは
きれいな水が飲めて、安心できる寝場所があり、食べるものに困らず、
教育が受けられる子供は世界中の子供のわずか13%だということ。
多くが80年代、90年代の回想なので現在は多少は改善しているかもしれません。
でも紛争や戦争は今も世界のどこかで続いています。
世界の過半数の地域では人々は貧しさから抜け出せていないという現実があります。

自身がその窮状をみてきておられるので、
描写にはとても胸に詰まるものがありました。
1994年に内戦でズタズタになったルワンダを訪れた時の章は特に衝撃的でした。
教会に入ったら遺体や白骨が散乱していたと書かれています。
人々は教会にいけばなんとかなると逃げ込んだのに、なんともならなかった。
ふと足元をみたらそこにも首が転がっていた、と淡々と書いておられるのです。
この人々に対して心から気の毒だという気持ちと
人間はここまで人を憎めるのかとそういう恐ろしさを感じたと仰っています。
テレビではいつもにこやかに話しておられますが、
言葉にできない悲惨さや悲しみをたくさん観てきておられるのですね。。。

アジアやアフリカの人たちがこれほどの窮状に置かれているのに
なぜ世界はそれに無関心なのでしょう。政治的、経済的な理由からでしょうか。
自分がここに生まれたとして、どれだけ苦しんでいても、助けるメリットがないと
先進国の人々が判断したらほうっておかれるのだろうかと。
アフリカの貧困地域では汚染された泥だらけの水でも
子供たちが争ってそれを飲んで、病気になっていることを知ると
なんとなく普通にお皿を洗っていても罪悪感みたいなのがよぎったりします。
彼らにもっと心を寄せていきたいと感じました。

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私は結構占い好きです。(*^-^*)
しょせん占いですが、当たっているように感じることもあるし
なんで当たるんだろうと思ったりします。
去年、有名な手相家の方に鑑定してもらって
どうしてこんなにいろいろわかるんだろうと不思議で
昨年は時間があれば自分でも手相の本を読み漁っていました。
おかげで自分でもちょっとは他人さまの手相を読めるようになりました。笑

その先生とお話した時に、気学の話が出て、
手相の熱が冷めた最近はまたこちらに興味がわいています。(*^-^*)
知れば知るほど、へ~と思うことが多くて面白いです。
世の中の事象を眺める時のもうひとつの視点という観点で
占いを捉えるとちょうどいいかもしれません。
いまのところ、気学からは、宇宙全体のエネルギーの動きの法則のようなものを
学べる感じがしています。

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こちらもいま興味が湧いている江戸本です。(*^-^*)
江戸時代というのは世知辛い現代とは比べ物にならないほど
日本人がおおらかだった時代。

お互いが助け合うコミュニティーもしっかり存在していたようですし
文化レベルも高くて、同時代のヨーロッパやアジア諸国と比べても
随分進んだ社会が形成されていたような感じです。

士農工商の厳しい身分制度の時代のイメージが強かったのですが
意外だったのは商人とお侍さんは普通に同じような宿に泊まったり
世間話をしたりしていたそうです。
人間がさまざまな禁制でがんじがらめに
されていたのはごく短期間のことで、江戸時代全体を通すと
実際は抜け穴だらけのゆるゆるな社会だったそうです。
なんだか面白い。(*^-^*)

地方のお百姓の生活となると、また違ったのでしょうけれど
江戸の街だけに限ってみていると
イメージと随分違った社会があったのかと想像されます。

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清水一行さんは企業小説をたくさん書いてみえます。
「女帝」はバブルの頃に話題になった詐欺事件の人物、
「経営の神様」はおそらく松下幸之助氏をモデルにしたと思われる内容でした。

今から20~30年くらい前の日本が舞台ですが、
両方の作品から感じたのは
当時の社会はものすごく男尊女卑の空気が濃厚だったこと!
男性中心の社会でうごめく野心や嫉妬の渦は
女性同士のそれとは桁が違う感じです。

そういえば小池東京都知事が以前、何かのインタビューで
清水一行さんの小説は全部読みましたと仰っていたのが
記憶に残っています。やっぱり小池さんすごいなーと思いました。笑

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この方も好きな作家で、毎月少しづつ著作を読んでいます。
この本は特に良かった!佐藤さんが小学生から中学生の頃にかけて
出逢った「先生」方と、その交流について書かれています。
人生の早い段階でこんな素晴らしい先生方と出会っていたことが
佐藤さんの人生の土台になっているのかと感じました。
カミュの本を今月読んでみたのも、この本の中で中学時代の塾の先生が
佐藤さんにカミュとサルトルについて話すくだりがあってそれで興味を持ちました。

佐藤さんの本では「国家の罠」、「紳士協定」、「沖縄評論」に並んで
好きな著作になりました。

今月はあとこの2冊も。感想は省略します。今月は12冊。(*^-^*)

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