
最近の新聞一面から。
これはとても良い選択だと思います。
宅配クライシスというけれど私たちは便利な生活に慣れ過ぎて
それを当たり前だと思いすぎて、その陰でしわ寄せが及んでいる人のことを
忘れていたのではないか。
便利さと安さ、効率を追求しすぎることで、
現場で働く人がどんどん疲弊しているのではないでしょうか。
彼らが過酷な業務に見合うだけの報酬を得ているかといえば
おそらくそうではないと思います。
実は先月、引っ越し業者さんをお願いした時に考えさせられたことがありました。
前日の運び出しと翌日の運び入れに同じ作業員の方が来てくれていたので
二日も続けてどこから来てくれているのかと尋ねたら
今回のように引っ越し先が遠距離地になる時は
高速道路のSAにある雑魚寝エリアで夜を過ごすというのです。
若いから連日勤務に耐えられる体力は十分にあるだろうけれど、
ビジネスホテルにも泊まれないのはあまりにもではないかと。
現場の作業員の方々は非常に良い仕事をしてくれて、
さすがプロの仕事は違うなと思うばかりでした。
それだけのプロフェッショナルなサービスを提供してくれているのに
その値段があまりにも安く、業務に携わっている人の労働環境が良いといえないのは
やはり「安くて良かった」では片づけられず、複雑な気持ちにならざるを得ませんでした。
これは運送業界のことだけではなくて、廉価な衣料品についても同じ。
ファーストファッションといわれる衣料品を作っているのは
例えばバングラデッシュなど途上国にある工場の女性たち。
彼女らは非常に劣悪な環境の中で一日2ドルくらいのお給料で働いているそうです。
消費者がたくさん商品を買って会社が儲かったからといって、
今の世の中のシステムでは企業は社内留保を増やすか
株主への配当に回すばかりで
工場で働く彼女たちのお給料や労働条件は改善されていないようです。
結局のところ、どこかの見も知らない大資本家や超富裕層の
資産が0.00001%くらい増える程度ではないか。
モノやサービスの価格は「適正」であるべきで
「安ければ安いほど良い」という考えはあまりにも品位に欠けるのではないかと思います。
安い価格を実現させるために合理化という次元ではなく、
劣悪な労働条件で働かざるをえない人のことを考慮してないからです。
我々は「より安く」「より効率的に」という考え方を今一度振り返ってみるところまで
きているのではないかと感じています。