
お初の方は戦国時代、絶世の美女と言われたお市の方(信長の妹)の次女です。
姉(長女)は秀吉の側室となった淀君、
妹(三女)は後に徳川二代将軍秀忠の正室となったお江。
大阪の陣の際、姉の淀君と秀頼を救おうと徳川家から和議の交渉に行ったのも彼女でした。

幼い頃から波乱の人生を送り、秀吉のとりなしで京極高次と結婚。
珍しく恋愛結婚だったらしいです。
高次が亡くなった後は剃髪して、常光院と称し、夫や父母の供養のため
発願し、建立されたのがこのお寺。
今回、常設寺宝展で下記を見学できました。

本堂です。お寺としてはとても近代的な造りになっています。
平成13年に再建されたものだとか。
写真は別に人を避けて撮ったのではなく、やはりここも私が訪れた時は
誰もいませんでした。 (;´∀`)

受付のところのピンポンを押して待つことしばらく。
お隣の家から住職の奥様か?出てみえて拝観料400円を納めました。
こっちから順番に見て行ってくださいね、と言われ本堂の中へ・・・。
冬のお寺さんって建物の内部でも本当に冷えるのですよね。
展示室には常高院の肖像画、自筆消息などが展示されていました。

お初さんの肖像画です。
今月はたまたま、戦国時代のお姫様たちについての本を読んでいて
お初さんに触れた箇所を読んだばかりだったので感慨深い思いです。
お初さんの印象は「男性に頼るばかりではなく、自分で何をするかを考え、
時にはしたたかに生きた強い女性」という感じ。
この絵を見て気づいたのですが、昔は正座じゃなくて片足を立てて座っていたのですね。

手前の紫の着物は彼女が身に付けていたという着物の複製です。
この奥に、写真撮影は遠慮しましたが、
お初の両親、浅井長政とお市の方、
そして夫の京極高次の位牌が祀られていました。

本堂。
寒~っ。1分で退散。(*´Д`)

最後に書院のほうへ。
ココの廊下から見える美しい庭園は大きな絵のようで
はっとするほど!
紅葉の時期はさぞかし色鮮やかな光景を楽しめたかと。

片方がカラフルな庭園である一方、この反対側は墨で描かれた障壁画、襖絵が。
写真撮影不可とあったのでとても残念なのですが、江戸中期狩野派による
作品でそれは見事なものでした。(二部屋ありました)
高いところから激しく落ちる滝の水を、近くの東屋で老人(高士)がそれを眺めている
観爆図。墨一色だけで瀑布の激しさと山の中の静けさが同時に表現されているようで。
有名な竹林七賢なども襖いっぱいに描かれていて、これを観るためだけに
訪れる価値も充分あるような立派な書院でした。
この空間をしばしの時間、独占させてもらえ随分贅沢な気分を味わったような気がします。

この後は庭園にも入れるということだったのでそちらへ廻ってみました。
紅葉シーズンが過ぎて、庭園は侘び寂びな雰囲気。



この裏手から往復15分程度のところにお初のお墓があります。
彼女に長く使え、身の回りの世話をしていた7人の侍女たちの
お墓も同じ敷地にあります。今回はちょっと寂しくてお庭を観た後は
もう帰ることにしました。(^-^;
常高寺のウエブサイトです。
帰り道・・・コメダ珈琲に寄り道して季節限定の温かい飲み物を。

ホットミルクの中に小豆が沈んでいるのです~
善哉ほどは甘くなく、じんわりと優しい味でした。(#^^#)

