イメージ 1

9月下旬まで県立美術館で開催されているベン・シャーン展を観てきました。
リトアニア生まれのユダヤ人、アメリカで画家として活躍した人です。
私の事前知識は「社会派の画家」というイメージ。
労働者の姿を描いた作品などを数点知っているのみでした。(下はウエブサイトからお借りしました)

イメージ 2


時系列的に作品をみていくと若い頃はセザンヌぽい絵とか
フォービズムを思わせる絵もありました。
当初はいろいろ試行錯誤していたのでしょうか。

今回印象に強く残ったのは第五福竜丸の被爆についてある絵本の挿絵に使われた
一連の作品です。いままであまり意識していませんでしたが米国の水素爆弾実験で被爆した
日本の遠洋マグロ漁船の名前がLucky Dragonと英訳されていて、
乗組員の方々がたどったその後の人生を思うとなんとも皮肉めいたものを感じました。

焼津港からたくさんの人に見送られながら出港する場面から、死の灰が降り注ぐ場面、
無線士だった久保山さんがその後亡くなり、未亡人となった奥様の姿が描かれた作品。。。
おそらく葬儀の場面だったのではないか、喪服姿で溢れる涙をハンカチで押さえ、
深々とお辞儀している姿でした。その絵の下に久保山さんのお墓の絵。
単純な太い線で描かれた絵でしたが抑えきれない悲しみ、声に出せない慟哭が
伝わってくるようで暫くの時間、その絵の前から動けませんでした。

冤罪をテーマにした作品などもあり、ベンシャーン自身の正義感と
社会的弱者に向けられた優しさを感じた作品展でした。

イメージ 3


美術館はとても好きな場所です。(#^^#) 
最近はめぼしい企画展があまりなくて暫くご無沙汰していましたが
緑が多くてとても癒されます。

併設されているカフェで鑑賞後の休憩。
暑かったのでこの日もアイスティーを。

イメージ 4

ここからの眺めもとても好きです。

イメージ 5





イメージ 6