
暫く前に同じ著者が福島第一原発の吉田所長について書かれた「死の淵を見た男」という本を
読んだことがありました。 もしあの時、あの場所に吉田所長という方がおられなかったら
原発事故被害はチェルノブイリの10倍、日本の国土の3分の1は人が住めない状況になっていただろう、
といわれています。まさに日本を死の淵から救った吉田さんの信念、生き様には非常に感銘を受けました。
数年前にお亡くなりになったことが悔やまれてなりません。
著者がまえがきのところで語っておられるように、著者の執筆テーマは
「毅然と生きた日本人像」。吉田所長の他に様々な分野でリーダーとして活躍された方のことが
書かれています。本義とは人としてあるべき姿。
読んでいてキリっと襟を正したくなる気持ちになる一冊でした。
印象に残ったのは「上杉謙信」について書かれた章で引用された武帝と達磨大師の問答。
仏法に基づく善政を行い多くの功徳を積んでいると思い込んでいた武帝に対する
達磨大師のはらわたが煮えくり返るような?答えです。
自己の偉業は決して自分でアピールするものではないのです。
もうひとつ、抜粋ですが
どんなリーダーでも生涯に一度や二度、マニュアルなき事態に遭遇する可能性はあると思います。
その時絶対にやらなければならないことはまず人々の動揺を抑えることなのです。
心にとどめておきたい言葉でした。

読書の効用として これも引用:
無駄な失敗を未然に防げる。失敗はしてもいい。失敗はから学べることも多いからだ。
失敗を恐れてチャレンジをしない人生はつまらないものだが、しなくてもいい失敗はしないにこしたことはない。
読書をしているとその失敗が未然に避けられるのだから成功する確率はそれだけ高くなる~略~
ビジネスパーソンが真っ先に読むべきなのは先人の失敗経験が書いてある本だ。
成功談については誰もが得意げに語りますが、恥ずかしい失敗はなかなか言いたがらないのも事実。(^-^;
でもその失敗経験を知識として持っていれば「転ばぬ先の杖」になもなるのですね。
読むべき本の比率としてはビジネス書40%、小説30%、その他30%が良いとのこと。
ハウトゥー本よりもむしろ骨の折れる・・・ちょっと苦しみながら読む本のほうが身に着く。
これも事実だと思います。

この本もどこか「気持ちをキュッと引き締めてくれる」内容でした。
私自身も30代の頃から漢方医の先生から食事の指導を受けているので
内容的には理解しやすかったし、共感する部分も多かったです。
(といっても先生に私のグルメブログは死んでも見せられませんが・・・苦笑)
自分でも食事についていろいろ勉強していて気づいたのは粗食、少食の大切さです。
修行中の禅僧の食事は非常に質素です。
修行当初はとてつもない空腹感に苛まれるそうです。でもある時期を過ぎると
不思議にそれに慣れてきて空腹感が少しづつなくなってきます。
胃袋が縮むと同時に消化吸収の効率がよくなって少ない栄養をうまく取り込めるようになる、のですね。
これは自分でも実験したことがあるのでわかります。(^-^;
実は私は一日2食生活。1.5食生活の日もあります。食べる量は少ないほど体調は良いような感じがします。
あと禅語の「日日是好日」。どんな日も良い日、という意味のように解釈しがちですが
そうではなく、いろいろな天候の日があるように生きている日々にはいろいろなことが起こり、
「いい日だったな」と感じることも、「厳しい一日だった」と思うこともあります。
でもどの一日もあなたにとってかけがえのない経験をもたらしてくれた一日であり、
経験に大小、軽重などないのです。そう受け取れば全ての日が「好日」ではないか、という意味だそうです。
どんな経験もかけがえのないもの、大事なものと受け止めていく。
禅の修行の時はお米を研ぐときに一粒の米も無駄にしてはいけない、とぎ汁にまぎれている米も
見逃すなとされているそうです。それはどんな経験もかけがえのないもの、米一粒を大事にすることが
あらゆることに対する姿勢につながっていくということなのだそうです。

さてさて。いつも気になる著者がいると集中して何冊もその人の著作を読む傾向があるのですが
今月は手相家の西谷先生。一気に10冊読んでしまいまいした。(^-^;




今月の読書は計13冊。割と読みやすい本が多かったから楽勝でした。(*'▽')
