
今年読んだ本の中で多分一番「読んで良かった」と思える本になりそうです。
あまりにも有名な世界的ベストセラーの本で、なんとなく「いまさら・・」とずっと手を付けずにいたのですが
読み終えて、どうしてもっと早く読んでおかなかったのかと少し後悔を覚えました。
世界で3000万部、日本だけでも200万部(or もっと?)売れているそうです。
ビジネス書とか自己啓発のカテゴリーに分類されるかと思いますが、内容は仕事での人間関係だけでなく、
友人、親子、配偶者、地域のコミュニティーなど、あらゆる人間関係にも応用できるものです。
最初、「成功哲学」という言葉から、成功とは富や社会的名声などもっと物質的な成功のことを言っているのかと勝手に想像していました。お金の大切さはよくわかっていても、それを価値観の中心に置くことに内心抵抗があったので、多分その手の本には共感できないだろうと思っていたことも、読むのを敬遠していた理由のような気がします。でも実際読んでみたら全然違うものでした。
私がこの本から受け取ったメッセージは人間としていかに成長(成熟)していくことが大切かということです。
本当の幸せとはどういうことか。いかに人格を磨き、精神を向上させ、内面的に充実した生活を送るか。
物事の捉え方や、考え方を変えることで見える風景は大きく変わるような気がします。
それが人生の質を大きく向上させることにつながるのではと。
多くのビジネス書や自己啓発本の内容はこの本に書かれていることから派生しているようです。
なので100冊のビジネス書を読むより、この一冊の本を読むほうが価値があるかと。
この本自体の内容もベースとなる考え方があるように思いました。
アメリカ建国の精神となったピューリタン(清教徒)的な思考です。
ピューリタン的、といってすぐに連想するのはベンジャミン・フランクリンの自伝に書かれている勤勉、誠実、質素、自制といった徳目をモットーとするような考え方です。初期の頃のアメリカを作っていた精神です。
人生の質を高めたいと思う方にお薦めしたいです。これから一年に一度は読み返して、内容を自分の中に刷り込んでいきたいと思います。(*^-^*)

この著者のことを初めて知りました。ヤクザの世界の本をたくさん書かれているようです。原発事故のあと、現場に多くの作業員が送り込まれていますが、そこにヤクザの利権が深くかかわっているということがとっかかりになっています。この本の内容がすごいと思ったのは著者は自身がジャーナリストであるということを隠して、一作業員として職を求め、現場に潜入し、事故が起こった現場を体当たりで取材されていることです。公の発表ではなく、高濃度汚染区域で現実にそこで何が起こっているかをみるために。でも被爆の危険が当然あります。そのために、事前に病院に入院して造血幹細胞を採取するということまでされています。
専門と違う分野のことを書かれているためか、正直なところ、全体的な印象がちょっと散漫な感じで終わってしまった気がします。でも非常に心に刻みつけられた言葉がありました。水素爆発を起こした建物の様子が、「広島の原爆ドームを思わせるものだった」という著者の感想です。原発がはらむ恐ろしさがその一行に集約されている気がしました。それから事実だったら恐すぎと思われることも。高濃度汚染区域で作業員を乗せていたマイクロバスや乗用車、当然すごい放射能を浴びています。返却できないので買い上げられたそうですが、その後、どこに売られているかわからないと書かれています。中古車販売店のオークションではトラブル頻発だそうです。海外に輸出しようとすると、港での放射能汚染チェックに引っかかるので海外に出せない。それで国内の中古車市場に出回っているそうです。業者のひとたちは生活がかかっているのでみんな知ってても黙っているそうで・・・。もし購入した中古車が事故後の原発で使われていたものだったら・・・。そこに自分の家族を乗せて毎日運転していたら・・・。関係者らのその無責任さに茫然とする思いです。"(-""-)"
最後にひとつ申し訳ないことをしたなと感じたことがあります。ここまで身体を張って取材してくれたこの著者の本を私は古本屋さんで買ってしまったことです。わずかではありますが、著者のもとに印税として支払われません。次にこの方の本を買う時は新しいものを買おうと思います。

音速の貴公子といわれていたアイルトン・セナ。彼がサンマリノGPで事故死してから既に21年。あのニュースはモータースポーツにそれほど関心のなかった私にも非常に衝撃的なものでした。この本はセナと同じ年齢のイタリア人ジャーナリストが執筆したもので、現役時代のプロストとの確執、彼に対する復讐の告白、そして突然の事故死とセナの遺体が母国ブラジルに帰国する際、同じ飛行機に乗り合わせたエピソードなどを綴った一冊でした。
セナにもあったダークサイドが書かれています。それを知ってもセナのことを決して嫌いにはなれないと感じました。むしろそういう部分があったことも人間くささみたいな魅力を感じてしまいます。0.1秒遅ければ敗け、0.1秒速ければ死ぬ、といわれるモーターレースの世界で死とギリギリのところで戦うレーサーらの話は非常に感慨深いものがありました。またセナの精神性の高さ、F1レーサーが置かれている非常に過酷な条件、いろいろと思い返すところがありました。雨天などコンディションが悪い時ほど、腕が冴え、素晴らしい走りを見せたというセナには当時のF1ファンにはたまらないものがあったと思います。彼が94年のGPで事故死したあと、遺体を貨物室に乗せるのはあまりに辛いことだとヴァリグブラジル航空の機長判断で、ビジネスクラスのシートを一部取り払い、彼の棺がそこに運び込まれたそうです。著者は偶然その便に乗り合わせ、セナの棺の前のシートだったそうですが、そのフライトでの機内の様子や乗客の反応はセナがブラジルの国民的ヒーローだったことを強く印象づけるものでした。泣けました。セナはかつてマクラーレン・ホンダのチームで走っていました。91年のハンガリーGPで本田宗一郎氏の弔いレースで優勝を決めた彼は表彰台でトロフィーを掲げ、本田宗一郎氏のために左腕に喪章を巻いていた、というエピソードがとても印象に残りました。10年ほど前に仕事でリオデジャネイロにあるテレビ局に行きました。廊下の隅に小さな祭壇が置いてあり、蝋燭の灯がたくさん揺らめいていました。セナのための祭壇でした。彼が亡くなって10年が経過していた頃でしたが、「ブラジル人は今でもセナのことを忘れられないのですよ」、とその局の方が教えてくれました。日本でもセナはとても人気があったという話をしたら、先方はまるで自分のことのようにとても嬉しそうにされていたのを今でも覚えています。(*^-^*)
ほかにも書きたいことがあったのですが、時間が遅いので省略します。<(_ _)>
以下、今月読んだほかの本です。



