
おはようございます。
台風18号の東海地方上陸で、今日は午前中いっぱいは自宅で様子見となりました。
最近忙しくてなかなかブログを更新する機会がありませんでしたが
ちょっと時間ができたので、久しぶりに旅日記を再開します。(#^^#)

天橋立の近くに「与謝野」という地名のエリアがあります。
与謝野鉄幹のお父さん、礼厳がこの地の生まれだそうです。
本当は違う苗字だったのですが、
後にこの地名の名を姓として名乗るようになったそうです。
天橋立には与謝野鉄幹・晶子夫妻が訪れた時に詠んだ碑があり、
二人にとってもこの土地は特別な場所だったのかと思います。
与謝野には「ちりめん街道」と呼ばれる通りがあります。
昔はちりめんの商いでとても栄えていて
どこの家でも朝から機織りの音が絶えなかったそうです。


幕末に生糸ちりめん商として活躍した尾藤家の旧宅が一般公開されており、
見学に行ってみることにしました。
大きく立派な建物です。もともと兵庫県(但馬)にあった豪農の母屋を
移築し、その後改修を加えていったのだそうです。

お座敷は夏仕様。涼しげですね。私たちが訪れた日は比較的
暑さもやや和らいでいて、やっぱり日本海側は涼しいのかなと思っていたのですが
こちらでも数日前までは大変な暑さだったようです。
ちりめんです。本当に美しくて繊細で芸術品のよう。
いまは着物を着る人が少ないので、産業としても衰退してしまいましたが
こうした文化が消えてなくなってしまわないでほしいと思いました。

豪商のお家というのは良くも悪くもとても豪華。
内装や調度品などをみていても、時々食傷気味になることがあるほどです。(;・∀・)
しかし、ここ尾藤家の場合、上質の部材を使って贅を尽くしてあるのですが
キラキラ成金趣味的なものがあまり感じられないのです。
かといって武家屋敷のように簡素すぎる雰囲気でもなく。
細やかな部分にまで配慮して内装が設計されているのですが
とても品があってセンスが良いというか。


廊下の灯り。これもそれぞれ少しづつデザインが異なっています。

お茶室風の座敷。床柱に松、竹、梅の木材が使われています。
床柱で歪曲しているのが竹、その左側に天井から床までまっすぐなのが松、
天上から途中まであるのが梅の床柱だそうです。
天上は屋久杉です。

当時としてはまだ珍しい洋室。
建築を手掛けたのが大林組、カーテン等の内装は
高島屋が請け負ったそうです。
当時、裕福だったお宅はこうした洋風住宅を好んで建てたそうです。
今ではビル等の大きな構造物しか建てていないイメージの大林組ですが
昔はこうした洋館建築などもたくさんやっていたようです。

内蔵。この中はビデオ上映室に改装されています。
一本だけビデオ映像を見せてもらいました。
昭和初期の頃のちりめん街道の白黒映像です。

いまは閑散として人通りも観光客さえまばらなちりめん街道ですが
当時の映像をみると、バスや車が行き来し、人の往来も都会並に激しく
今との違いにびっくりです。栄えていた頃は山陰地方等から女工さんが
たくさん働きにきていたほどだったとか。当時のご当主の映像もありました。
お家の雰囲気から想像していた通り、映像からも品格が漂っている感じがしました。
現在も尾藤家はお醤油屋さんとして宮津のほうで続いているそうです。
見学を終えて出発する前にこの地の特産の生姜で作った
生姜ジュースをいただきました。
濃厚な生姜が効いた冷たいジュースは暑い日にはぴったりでした。

この日の観光はこれでおしまい。
この後は宮津市内にある料亭でお夕飯でした。
続きます~ (*^▽^*)
