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関西弁を喋る神様ガネーシャと自分を変えたい、成功したいと考える
ダメダメサラリーマンの会話からなる自己啓発本です。
内容自体は書店に山積みされているたくさんの自己啓発本と同じことが
書かれているのですが、そのプレゼンテーションのしかたがとても面白くて
昨夜一気に読み終えてしまいました。

ダメダメ・サラリーマンの「僕」。彼にガネーシャが教えるのは行動することの大切さでした。
何かを学んで知識を吸収して成長しているかもしれないけれど
それは成長した気になっているだけ。人間が変われるのは実際に
行動した時だけ。やりたいことを見つけるのに一番してはだめなのは
「考えること」。するべきは「体感すること」という。
実際にやってみて全身で感じることが大切という。
そして人間が劇的に変われるきっかけは「不幸」だということ。
意外だけれど、読んでいきつつ、なるほどそれはいえてるかも、と思ってしまいました。
よほど自身が変わらざる環境におかれないと人というのは現状を変えたがらない
そのままでいたい、楽したい・・そう思ってしまいがちなのです。
だから現状に不満を抱きながらも、変わろうとしない。

描写があまりにも笑えるので時々ぷっ・・、と吹き出してしまう。
喫茶店や電車の中で読んでたら、周囲から変なひと、と思われてしまいそうなので
リビングのソファで寝ころんで読むのが一番でした。

主題から外れますがこのガネーシャと、お釈迦様と僕が
3人で富士急ハイランドへ遊びにいく下り、とても面白かったです(^^;

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過去15年くらいのうちに実際に起こった13の事件での
加害者あるいは被害者となった女性たちの心の内面を描いた一冊。
あくまでも著者自身が彼女だったら・・という視点で犯行の動機が綴られています。
もしかしたら本人さえも認めたくない、観たくない、あるいは
全く気付いていないかもしれない心の奥にある闇を抉り出すように
描いていて、こういうところに職業作家の凄みを感じました。
それからこういう黒い部分、犯罪とは無縁で普通に暮らしている人間の
心の奥にもきっと潜んでいるんじゃないかな、ということも。

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宇宙飛行士毛利衛さんの本。この方が宇宙へ行かれたのは1992年のことでした。
当時、宇宙から日本の子供たちに向けて行った宇宙授業、
それから「宇宙から地球を見ると国境は見えない」と仰った言葉が
とても印象に残っていました。

宇宙飛行士へのインタビューを綴った立花隆さんの「宇宙からの帰還」を学生時代に
読みました。宇宙飛行士が宇宙に行ったことで経験した自身の世界観の変容、
神とは人間とは・・?という哲学的な内容にとても惹かれ
毛利さんの本でもそんなことが書いてあるのかなと思ったのですが
随分違うことが書かれてました。

実際の宇宙飛行では分刻みで実験とかやらなくてはならないことがいっぱいで
規則も非常に厳しくて、宇宙を眺めながら何かを考えるという時間は
殆どなかったそうです。

記録をたくさんとりながら仕事をてきぱきとこなすのがアストロノート(宇宙飛行士)であり、
沈思黙考タイプのひとは初めから採用されない。NASAは高いお金をかけて
そういう人を宇宙に送り出そうとはしないのだとかで。
米ソ対立時代の宇宙飛行とは時代背景や時代から要請されるものが違うからでしょうか。

また宇宙飛行士にとって宇宙は現実であり、地上と全く違う環境で生命体としての日常を
営み、維持していくということ自体が大変な努力が要る、動物として生きることから
始めなければならないので非常に厳しいものだと。「生命体はどういう方向に進化しているのか」とか「生命体とは本質的にどういうものなのか」という科学者的な視点も興味深かったです。

あと太陽の話。地球上からみるよりも太陽はずっと眩しくてギラギラと輝き、
ただ燃えている、白く光っているだけの無機質なエネルギーの塊に過ぎなかったという
毛利さんの言葉。金星もものすごく明るくて瞬かず、そこに生命を育む恵みのようなものは
全く感じられないのだそうです。

地球にいると「大気」の層を通してこれらの光がみえるのでギラギラな太陽の光が
なごんで柔らかな光に変わっていくのだけれど、宇宙でみるのと地球上からみるのとでは
全く違ってみるし、感じ方も違うと仰っていたところがとても印象的でした。
私の乏しい想像力の中で一生懸命そういう映像を描いてみましたが
暗闇の中でただギラギラと輝く太陽の光、瞬かない星・・逆に恐ろしい感じがします。

いろんな世界で活躍されている方の著作を読むと、その世界を少しでも疑似体験できる
ような気がして好きなのですが、毛利さんの本も知らない世界をちらっと見せてもらえたような気がします。

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興味深かったのは「今までの知性は男性的な知性」、
「これから必要な知性は女性的な知性」というところです。
男性的な知性とは競争に勝ち抜くことが一番とされる競争で成り立つ社会のこと。
一方で女性的な知性とは勝ち負けよりも一緒に協力して何ができるか、と考える社会のこと。

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特異な才能をもつのは男性に多いけれど、
女性のほうが全般にはよりバランス感覚にたけているらしいです。

これまでは男性優位の社会でしたが
女性がもっと社会に進出するようになったら、
競争を優先し攻撃する社会から調和を大切にする社会に変わっていくのでは
という見方に関心をもちました。
政治の世界でも調和を大切にする女性の政治家が増えれば
もっと世界は変わってくるのでは、とか思いましたが。どうなのかな。

今月はあとこんな本を読みました。
マルクスの「資本論」は死ぬまでに読破したいと思っていますが
難しくて理解できません。外堀から攻めれば少しは理解できるかと
思って佐藤さんの本を読んでみましたが、これも読むのにすごく時間がかかりました。
一週間くらい。沖縄評論では世論の力を説いてみえます。無関心でいることよりも
小さなことであっても行動を起こすことで物事は変えられるのでは、と感じます。

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米團治さんは米朝さんの息子さん。
お坊ちゃまらしい品のある語りがいいですが
でもお父様の米朝さんに比べると本の中身もやや薄。

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今回感想文を書きませんでしたが「嫌われる勇気」、とても良い本でした。
アマゾンでもレビューの数がすごい多かったので、随分売れてるみたいです。
タイトルから想像する内容と実際の内容は随分かい離がある感じです。
印象的だったのは「今日という日を一生けん命に生きる」ことの大切さ。
とても簡単な文章で綴られているけれど、実際とても深いことが書かれています。
なので、これはまたいつか再読したい一冊です。
今月は合計11冊でした。

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