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この週末もコンサートでした。
今回は津市の文化会館で。
 
天平時代の楽器について、その解説を聴きながら
復元楽器、現代筝の演奏を聴くというものでした。
これ、毎年開催されているみたいで、今年でもう7回目なんだそうです。
 
単に演奏を聴くだけではなくて、
詳しい説明があると理解が深まります。
今回は「琴」をテーマにその歴史や背景について。
日本人には馴染み深い「琴」ですが知らないことがいっぱいでした。
 
琴は太古の昔から式典などで演奏されてきたものですが
もともとは「願い事など人の声を神様に届けるための楽器」だったそうです。
日本で最古のものはなんとBC1000年のものだとか。
BC1000年って縄文時代なのですね。稲作が始まった弥生時代よりも
更に昔、狩猟や木の実の採取等で人が生計を立てていた時代に
既にこうした楽器が奏でられていたということが驚きでした。
 
弦楽器という漢字についてもバイオリン等は「弦楽器」と「弓編」で表記しますが
日本のお琴は「絃楽器」と「糸編」表記し、違うのですね。
弦(絃)の部分に西洋ではもともと羊の腸の繊維が使われていたこと、
一方、日本ではシルクが使われているという違いがあるようです。
 
日本の絃楽器の起源は中国ですが、日本製の絹のほうが良質で
海外から伝わってきた絃楽器も日本に入ってきてから一層レベルの
高い楽器に改良されていったようです。日本人はこの時代から
改良、改善が得意技だったのだなあ・・と感心してしまいました。(^^;
 
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会場には正倉院に伝わる琴の再現楽器が並べられていて
ひとつひとつ、奏者の方が弾いてくれました。
 
てっきり当初は、お正月によくBGMで流れている
「春の海」のような音が聞こえてくるのかと思ったら全然違う音なんです。
当時の琴はサイズも小さいのですが音自体も小さいのですね。
それに全体的に低音で、かつ、なんというか「音が平べったい」感じ。
神様にメッセージを伝えるために使われていたとのことですから
人の耳を楽しませる現代の楽器とは目的も違い、そうなると全然音自体も
違うものなのですね。復元楽器の演奏がずっと続いたら、途中で飽きてきて
退屈してたかもー、と思ってしまいました。(;'∀')
 
その後、現代箏の演奏があったのですが、今度はまたまた
これまで「お琴」という楽器に抱いていたイメージが覆る演奏でした。
演奏のスタイルもやっぱり当初のイメージは「春の海」だったのですが
テンポがとても速く、斬新なんです。ちょっとアフリカの音楽っぽい
テイストが入っているような気もしたほど。
絃の数も多いのですが、音に厚みと幅があり、
とても豊かで艶やかな音で。本当にすごいー。\(◎o◎)/!
非常に美しい音色と引き込まれる演奏~。
琴という楽器が、こんなに進化していたとは、という驚きが
今回のコンサートを聴いた一番の感想でした。
 
コンサート終了後はステージ上に置いてある復元楽器に実際に触れたり
写真撮影してOKということだったので、私も触らせてもらいました。
 
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チケットが1000円(会員割引は900円)とお値打ちだったので、
どんなものかと行ってみたのですが 、想像していた以上に
楽しく、勉強になった2時間超のコンサートでした。
来年も12月にあるそうです。(*^▽^*)
次回も機会があればぜひ行ってみたいものです。
 
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