
旅3日目。福井県にある永平寺に行きました。
1244年に曹洞宗開祖である道元によって開かれた道場です。
初め、京都に道場が作られたのですが、後に越前に国に移ったそうです。
全景図。三方を山で囲まれており、建物(伽藍)は山の傾斜に沿って
配置されています。壮大なお寺という印象。これまで見たお寺で
同様のスケールのものは比叡山延暦寺くらいかも。

由緒ある古いお寺だけあって、境内には巨木がたくさん。
石垣も立派。長い歴史を持つ寺院の威風堂々とした
佇まいに静かな迫力を感じました。


拝観料を納めて向かったのは傘松閣。
見どころのひとつ「絵天井の大広間」へ。

なんと156畳の広さの大広間。
折上格天井には昭和5年当時の著名な画家144名の
作品230枚が並んでいます。
絵を痛めるといけないのでフラッシュ撮影はだめとのこと。
なので、ちょっと暗めに映ってしまいましたが
実際は金箔がいっぱい使われていてキラキラ
豪華絢爛でした。



永平寺には現在も修行僧の方(雲水さん)が多くいらっしゃいます。
各所でのお寺の案内などをされていました。
どの方も若くて細身でメガネをかけているので、
あれ、この人、さっきの場所にいたような・・
と思ったら違う人だったりと、区別が付きませんでした(笑)
永平寺は多くの伽藍を廊下でつないでいます。
それぞれの伽藍が山の斜面に沿って建てられているので
階段もたくさんあります。わりと緩やかな段差なので
上り下りがそれほどきついとは感じませんでしたが・・。
面白かったのは廊下に沿った窓の枠。
こちらも傾斜に合わせて角度がついていました。


最も奥に位置する法堂へ。
こちらも380畳もあるという広さですが
すごいキラキラが。





巨大な天蓋が燦然と輝いています。


ここでは読経が行われたり、各種法要がとり行われるそうです。
この立派な天蓋の輝きを保つための手入れは
さぞかし大変だろうなと思ってしまいました。

こちらは庫裏で。
ここで修行僧と参拝者の3度の食事を作っているそうです。
すぐに気付いたのは巨大なすりこぎ。
大きさ4mもあるそうです。
下部分がすり減っているのは、すりこぎを
3回撫でると料理の腕が上達するという言い伝えがあるからだそうです。
はい、私もなでなでしてきました (*^▽^*)

山門を見上げて。
これは秋の紅葉の頃は素晴らしい眺めが
楽しめそうです。

ここまでで載せた写真は境内のごく一部に過ぎず、
まだまだ見どころがたくさんありました。
あまりにも広すぎて、途中から自分がどこにいるのか
わからなくなってしまいました。

アップルの創業者スティーブ・ジョブズも若い頃から禅に傾倒し、
一度は永平寺に修行に来ようと思ったことがあった・・らしいです。
アップル製品のシンプルなデザインは、
京都にある禅宗寺院の枯山水のお庭から
インスピレーションを得て生まれたもの、とジョブズの伝記に
書いてあったことを思い出しました。
極限まで無駄を排した枯山水のミニマリズムの美しさと
例えばiPhoneのデザインと・・共通するものがありますね。
現代テクノロジーと東洋独自の美学が
天才的アメリカ人の頭の中で融合され、
世に出された製品が世界的にヒットしたというのも
グローバル化が進む現代ならでは・・と、興味深いことです。(*^▽^*)