イメージ 1
 
書店でいつものように立ち読みしていてふと目にとまった一冊。
 
~例えば今、テレビ番組はクイズや知識の答えを求め、
それが正解、不正解と断定する。
納戸の奥にしまってあった家族の品物さえ骨董品と称して
その値踏みまでもする。
金の価値に換算してしまった瞬間に
親や祖先への夢も何もなくなってしまうのではないか。
世の中は今、すぐに答えを求める~
 
日常の中で自分もぼんやりとそう思っていたことが
文章に書いてあったので、これは面白いかも、と
買って帰り、週末に読みました。
 
こんな時に本物の大人ならどう振る舞うかということをテーマに
書かれたエッセイです。
銀座の路地を知りつくし、酒やギャンブルに溺れ、
血を流すほどの喧嘩をしたりということもあったと
書かれていますが、
行間からは軽薄さを嫌う誠実な著者の人柄を感じました。
「理不尽がまかり通るのが世の中」、
という一言には思わず頷いたり、
耳の痛い指摘に思わず苦笑いしたり。(^_^;)
 
著者は故夏目雅子さんの夫であり、
現在は女優篠ひろ子さんと結婚されています。
伊達歩というペンネームで作詞家として
近藤真彦さんに「愚か者」、「ギンギラギンにさりげなく」を
提供しているのも伊集院さんだそうです。
巻末の夏目雅子さんとの出会いから死別までを綴った数ページは
思わず涙してしまいました。
 
酸いも甘いも噛み分けた人の
幅と奥行きのある人生観が見えるようでした。
 
イメージ 2
 
イメージ 3