
最近の習慣になっていますが、先週、書店に寄り道したら
池上先生の著作にこんな本が加わっていました。
発行日を見たら2012年9月30日、
ちょうど出版されたばかりです。
私自身、政治については正直なところ殆ど興味がありません。
それ以前に日本の政治のことがよくわからないのです。
○○党の○○派、といわれても、他の派閥との関係が
どうなっているのか、尋ねられてもまず答えられません。
書店で最初の数ページと目次に目を通したところ、どうもこの本はそういう私のような程度の人に向けて書かれた本だと思い、早速買い求め、台風襲来の日曜日に読みました。
日本の政治がなぜ今このような状況なのか、
池上先生流にうまく説明されていてこちらも入門書にぴったりという感じがしました。
自民党と民主党の政策が似通っている理由もなるほどと思いました。
本書では日本以外の国の政治にも触れられています。
感心したのは欧米には国民が政治家を
育てていく土壌があること、そういう面での
国民の成熟度は大変日本と違いがある点です。
アメリカでは大統領選挙は1月の予備選挙開始から
11月の本選挙まで大変長い期間にわたって行われますが、
候補者は選挙戦を戦いながら力をつけ徹底的に鍛えられて
大統領にふさわしい力をつけていくそうです。
そしてやっぱり民主主義の原点はここにあるのだなと
思わせるエピソードも書かれています。
またイギリスの場合では、格差の激しい階級社会なので
居住区によって支持政党がはっきりと分かれています。
イギリスでは、それぞれの党は将来性があると見込まれる新人に
保守党ならライバルである労働党の牙城に、労働党なら保守党の牙城に・・と
まずは相手の優位な選挙区で立候補させるのだそうです。
知名度もない新人を「絶対勝てないライバルの牙城」で悪戦苦闘させ、
そこでどれだけ頑張るかで新人の力量を見極め、
見どころがある人物だと判断したら
次の選挙では絶対当選する選挙区に移すのだとか。
この辺も二世議員の多い日本の国会議員と比べると
かなり厳しいスパルタな育て方に思えます。
でもそこで彼らは苦労しただけに相応のものを
身につけていくことができるのでしょう。
消費税に相当する付加価値税が25%もかかるデンマークでは
近年、投票率が80%を切ったことはないそうです。
これだけの高い税金を払うのだから無駄遣いされては困るという
国民の意識が違うのだそうです。
高税率の代わりに医療費も教育費も無料だから
国民は基本的に老後の貯金をする必要がないのだとか。
こうしたシステムも国が長い期間をかけて築いたものですが
やっぱりどこにも共通するのは政治に対する国民の関心度の高さです。
それが民主主義を土壌から育てること、社会のリーダーを
育成することにつながることなのですね。
一読して、とても反省・・・((+_+))
今後はもう少しこちら方面へも関心を向けてみたいと思います。