イメージ 1
 
付き合う女性がころころ変わる主人公に対して
友人である堀木がこんなことを言います。
「お前の女道楽もこのへんでよすんだね。
これ以上は世間がゆるさないからな。」
 
主人公は思わず、
「世間というのは君じゃないか」
という言葉が出てしまいそうになる。
 
(それは世間がゆるさない)
(世間じゃない、あなたが許さないのでしょう?)
(そんなことをすると世間から酷い目にあうぞ)
(世間じゃない、あなたでしょう?)
 
 
世間とは強く厳しく、怖いものと思っていたけれど
そんなものではなく、世間とは
実体のないもの、堀木「個人」であることを看破する主人公。
 
中学生の頃に読んだ時には文字をなぞっただけで
理解しきれていなかった人間の影の部分、
今のほうがよくわかる気がします。(*_*;
昔、読んだ本をたくさん読みかえしているところです。
 
 
イメージ 2