

お昼ご飯をいただいてきました。
数ある古民家改造の飲食店の中でも
とりわけ雰囲気の良いお店です。
お座敷には立派な網代の天井や欄間があり、
武家屋敷の面影が残っています。
またガラス戸は、今はもう生産されていない昔の
手作りのもので、面がややゆがんでみえる古いもの。
席はお座敷と蔵を改造した部屋、
それからカウンター席があります。
せっかくだからお座敷に行きたかったけれど、予約していなかったので
カウンター席しか空いていないとのことでした。

でも案内された席からはこんな素敵なお庭が眺められました。

カウンターには、1つ仕切りがしてあり、
お隣のグループのお客さんと顔を合わせることがないよう配慮されていました。
さてさて、この日に注文したのは玉手箱ランチ1500円。

プラス300円でデザートセットがつきます。(単品注文の場合は500円)

喫茶のみの利用もOKなので(11時~16時)、ほっと寛ぐのに良さそうです。
車をお店の斜め前くらいにある駐車場に停めておいたのですが
食事を終えて車に戻った時に、ある看板が目に入りました。

近代日本文学の小説家、梶井基次郎が滞在した家がここにありました。
代表作に「檸檬」という短編小説と
「城のある町にて」という短編よりはもうちょっと長い小説があり、
後者は松阪を舞台にした作品です。
小説の中では松阪城址から眺める市内の風景が詩情豊かに描写されています。
彼は静養のため、お姉さんの嫁ぎ先の松阪で一時期を過ごし、
その翌年、「城のある町」を上辞しました。
過ごした家が松阪城址の近くだったということは知っていたのですが
松燈庵の数軒隣にあったとは。
現在でも人が住んでみえる様子でしたので建物の写真を載せるのは
控えますが、あの小説の元はここにあったのか・・と、幽かな感慨が。
随分前になりますがこの小説に関連して記事を書いたことがありました。
松燈庵の雰囲気を思い出しながら、