
暫く前に出かけた地元のお店のメニューに
「加賀棒茶」と書かれていて、棒茶って何かしら?
と、気になっていました。
ひがし茶屋街を歩いていたらその「加賀棒茶」
と書かれた暖簾を発見!
加賀棒茶とはお茶の茎を焙じてつくるお茶のことで、
金沢では「お茶といえば棒茶」といわれるくらい
一般に親しまれているそうです。

加賀藩が製茶を奨励していたそうですが
使用するのは茎のみで茶葉は使わないんですね。
この「茶房一笑」は加賀棒茶で有名な
丸八製茶場が経営しているそうです。
店内の席からの一枚。
格子戸は外からは中が見えませんが
内側からは外の風景がよく見えてびっくり


席につくと、小さい目のグラスにいれた
水だしの棒茶を出してもらいました。
外は春とはいえ、気温が結構高かったので
冷えたお茶はとても嬉しいです。
さっぱりとした美味しいお茶でした。
お茶の専門店なので、メニューは
棒茶、煎茶、玉露、抹茶、生ジュースのみ。お茶にはお菓子(酒まんじゅう、白玉ぜんざい、ロールケーキ、和菓子のどれか)がついて1050円です。
こちらの棒茶は一番摘みの上質の茎を浅く炒り上げたもので
芳ばしさに特徴があるとのこと。
それならやっぱりということで、棒茶を注文しました。


主菓子は「岩根ツツジ」。
山の岩根に咲くツツジを模したものでしょうか。
新緑の5月にはぴったりの和菓子ですね。

丁寧にいれてもらったお茶は
まろやかな味でとても美味しいです。
急須にたっぷり入っているので
ひとりでは飲み切れないくらいに
感じました。
金沢を訪れたのはゴールデンウィークだったので
お店にはお客さんが次から次へ入ってみえます。
席数が少ないので、お店の方が「満席ですので・・」、と
断っているのを見ていると、なんとなく長居してしまうのが
申し訳なくて、ちょっと早い目に切り上げることにしました。
お店の2階がギャラリーになっているとのことなので
帰る前に少し見せていただくことにしました。

一階は改装して、現代風のカフェ仕様になっていますが
二階は昔のお茶屋さんの風情が残っています。


ところでお店の名前の「一笑」は
江戸時代の加賀藩を代表する俳人
小杉一笑からきているそうです。
一笑は茶業を営みながら季節を感じる
俳句を多く詠んだ人。
上方でも名前が通っていたほどの人だったとか。
辞世の句は
「心から雪うつくしや西の雲」
冬に雪がたくさん降る金沢らしい一句ですね。

こちらは二階からの眺め。
外では知らないうちに小雨が降っていました。
しっとりと濡れた石畳に情緒を感じます。
石川県金沢市東山1-26-13
076-251-0108