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京都相国寺内にある承天閣美術館で開催中の
伊藤若冲の水墨画展示を観に行ってきました。
 
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承天閣美術館は相国寺境内にあり、
相国寺や金閣、銀閣、その他塔頭に伝わる
国宝、重文など数多くの什宝が展示されています。
 
歴史あるお寺は多くの寺宝を所蔵していますが、
これだけ立派な美術館があるお寺は珍しいと思います。
相国寺創建600年記念事業の一環として
昭和59年に開館したそうです。
 
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入り口を通って美術館に至る庭園。
石畳の道が続いています。
お寺は比較的、市内中心部にあるのに、ここは外の喧騒からは
遮断されているかのような静かな空間でした。
そしてどこから漂ってくるのかとても甘い花の香りがしました。
 
館内は第一展示室と第二展示室に分かれており、
常設展だけでも、鹿苑寺(金閣)境内のお茶室を復元したものや
立派な絵、茶道具などが展示されていました。
私の浅い知識では十分理解できていなかったと思いますが、
とても素晴らしいものばかりです。
 
江戸期を代表する画家、伊藤若冲の作品は常設展の中にもありました。
鹿苑寺金閣の大書院旧障壁画は若冲の筆によるものです。
 
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写真はウエブサイトからお借りしたもので
常設展示のひとつ、「月夜芭蕉図」です。
このように書院の一部として復元されていて
大変見ごたえがあるものです。
 
もうひとつ葡萄の絵を書いた障壁画もありました。
若冲が数多く残している動植物の絵はとても
精緻な描写が特徴だと思いますが、
この絵もとてもリアリティに富んでいました。
 
今回の特別展示となっていた数々の水墨画には
たくさんの動物の絵もありました
亀や象の絵は漫画みたいにデフォルメして描かれていて
とても大昔の作品とは思えないほど「かわいい」絵でした。
 
また若冲の鳥獣画に多く使われている
鶏の絵もありました。鶏の動きがとても活き活きと
実写されているのがとても印象的でした。
動物たちの動きのほんの一瞬、一瞬の姿を一枚の絵に
写し取った観察眼の素晴らしさにも魅入ってしまいました。
 
そういえば、
私たちが見ていたすぐ隣に、英語ネイティブと思われる
外国人親子の姿があり、丹念に常設展示を見ておられました。
このお父さん、かなり日本文化に詳しいのか、
退屈そうにしているティーンエージャーの
息子さんに展示物のひとつひとつについて
いろいろ熱心に説明しています。
 
常設展の中にあった「徳川家朱印状櫃」の前で、
彼ら親子が話しているのが聴こえてきました。
 
お父さんいわく、
「この中に入っているのは、お国からの大事な公文書、
御用の文字をみたら一般人は道を脇にそれて
メッセンジャーが通る道を空けなければならないんだよ」
 
へ~、なるほど。御用ってそういうことだったのか。^^;
美術館でもらった説明書きよりも、
お父さんの説明のほうがわかりやすい。
本当はずっと後をついて回りたかったくらいです。
怪しまれても困るので、そこそこで離れましたが。
 
それにしてもここの展示物は是非一見の価値ありだと思います。
私自身は今回だけでは全て自分の記憶に焼きつけられなかったので
できればまた何度も訪れて、何度も見つめて自分の記憶の中に
取り込んでおきたいお宝だと思いました。^^
 
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