

京都では現在、「京都冬の旅」という企画のもと、
いくつかのお寺で非公開文化財が特別公開されています。
今回は東山区建仁寺内にある両足院という塔頭寺院に行ってきました。
ここで公開されている寺宝は
*伊藤若冲の「雪梅雄鶏図(せつばいゆうけいず)」
*長谷川等伯筆「水辺童子図」「竹林七賢図」
*秘仏毘沙門天像など。
立派な枯山水庭園もありました。
書院前の池泉式庭園は6月頃が見頃だそうです。
建仁寺は祇園のすぐ近く、という場所柄か、寒い冬の日でも
結構混雑していました。
拝観料を払って、ある一定の人数が集まったところで、お寺の由緒や寺宝の説明などを受けました。
伊藤若冲は江戸時代の有名な画家。
「雪梅雄鶏図」を間近で見せてもらいました。
雪の積もった梅の木を背景にした鶏の姿、
じっくりと羽の一本一本まで見てしまいましたが
細部まで精彩に描かれています。
それにとても美しい発色。
これは本物ならではだと思いました。

そしてもうひとつは黒田長政が関ヶ原合戦の際に
内兜に納めて戦ったという毘沙門天像を拝見しました。
なんと本邦初公開とのこと。
少し遠いところに安置されてあったので
写真に収めるどころか、肉眼でも見辛いほど・・。
なぜかというと、お姿がわずか7センチだとかで。
目を凝らしてなんとか片手をあげた毘沙門天のお姿を
見ることができました。かなり黒っぽくなっていましたが・・。
7センチの毘沙門天像はもともとは鞍馬寺毘沙門天の胎内仏であったもの。これを関ヶ原の合戦の際、黒田長政が兜に納めて出陣、大活躍の末に東軍が勝利をおさめました。
戦後の論功行賞で、黒田家は家康から筑前52万石を与えられ、大出世です。
毘沙門天は勝利の神様だったのですが、
黒田長政にとってはまさにその通りの神様だったのですね。
その後、この小さな毘沙門天像は
代々、黒田家で信仰されてきたそうです。
ところでここの毘沙門天は戦前は祇園の芸妓さんや舞妓さんが
お参りして、いい旦那さんが見つかりますようにと
願いをたてて成就させていたところだそうです。
そういうわけでここは商売繁盛、合格祈願、誓願成就とあわせて
良縁成就、縁結びのご利益もあるそうですよ。
両足院
京都市東山区小松町591
建仁寺山内