
京都市東山区にある東福寺。
数多くある塔頭の中に雪舟作と伝えられる庭園をもつ
芬陀院(ふんだいん)というお寺、通称「雪舟寺」があります。
雪舟さんというと、子供時代に涙でネズミを描いたという逸話が有名ですね。
彼は京都を訪れた時はここのお寺で起居していたとか。
このお寺の大檀徒であった一条兼良公からの所望をきっかけに
雪舟が作ったといわれる庭園は京都で最古の枯山水庭園のひとつ。

白砂の向こうに見える石組、
向かって左側は折鶴を、右側は二重基檀により亀を表しています。
想像力の乏しい私にはなかなかイメージしにくかったですが、
この石組の亀が手足を動かし這っていた・・などという言い伝えも残っているとか。^^;
小雪のちらつく寒い日でしたからお庭も冬枯れしていますが、
青々とした苔が鮮やかな季節には
白砂との色のコントラストがさぞ美しいことでしょう。

座敷から見える「鶴亀の庭」は、
昭和14年に作庭家重森三玲氏が復元修理したもの。
長い間、荒廃した状態だったそうですが、ほぼ当時のままを
再現できているそうです。
ここまで頑張りましたが、外の空気は耳が切れそうなほど冷たい
。

写真を撮った後は障子を閉めて、ヒーターをいれて
お抹茶とお菓子をいただきました。^^

お寺の内部を見せてもらっていて
ふと、気付いたもの。


庭園の草木を手折ってきたものでしょうか。
葉っぱを二枚の障子紙の間に挟み、
障子の取っ手にあたる枠の部分に貼ってありました。
自然の造形をそのまま利用した素敵なデザインですね。
建物の中には図南亭というお茶室があります。
こちらも実物は宝暦の火災で焼失しており、現在見られるのは
復元したものだそうです。
茶道に造詣深かった一条家第14代恵観公は
東福寺を参詣したときは図南亭でお茶を楽しまれたとか。

優しい太陽の光が差し込む茶室でのひととき、
心なごむ時間だったでしょうね。