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京都市右京区御室にある仁和寺に行きました。
仁和4年(888年)に宇多天皇が建立し、その後ここに移られたことから
御室御所とも言われてきました。
 
仁和寺のことを知ったのは古文の授業で「徒然草」にある
「仁和寺にある法師」という話を読んだとき。
おとぼけ老僧の話が面白かったことが記憶に残っていますが
ここは天皇家と深い縁がある大変由緒あるお寺です。
 
現在読んでいる「新平家物語」では保元・平治の乱の下りで
頻繁に仁和寺の名前が登場します。
権力闘争に破れた天皇家の人物や公卿などが助けを求め、
「駆け込み寺」のようにここに逃げてきます。
 
境内は9万平方メートルと広大です。
実際にはこのお寺も応仁の乱の頃に焼けてしまい、
その後の再建だそうですが、国宝、重文の伽藍が配され
当時の面影を伝えているようです。
 
一番上の写真は仁王門。江戸時代に建てられたそうです。
仁王門を通り抜けてすぐ左側にある御殿入口から
宸殿に行きました。
 
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宸殿の前には白川砂が敷き詰められています。
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右側に見えるのは仁王門。左側は天皇の詔勅を伝える
勅使が出入りしたといわれる勅使門。
手前の木は橘、奥は桜の木です。
 
右近の橘、左近の桜、
雛人形でも上から5段目くらいに
飾られていますね。
 
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美しいお庭の向こうに五重の塔をのぞみます。
 
これは宸殿内部、上段の間。
あざやかな襖絵が目をひきます。
孔雀の絵が描かれていますね。
優雅な雰囲気。往時はどんなにゆったりと
時間が流れていたのでしょうか。
 
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参道に戻り、少しまっすぐ歩いていきます。
京都の山の近くにあるせいか、一段と寒さが厳しいです!
 
さぞや優雅な時間が・・と書いたものの、
暖房機器も発達していなかった昔、
人々はこの冬の寒さをどうやって凌いだのでしょう・・。
 
中門をくぐりぬけた後、金堂(ここは国宝)へ。
いただいてきたパンフレットの案内によると
仁和寺が寛永年間に再興された時、
京都御所の紫宸殿を移築し、本堂としたそうです。
 
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公家文化の都であったためでしょうか、
京都のお寺をみて歩いていると
優雅で繊細な美しさがあることに気づきます。
気品があるというか。
 
これは武家文化の象徴であった鎌倉のお寺と比べるとその違いがよくわかります。
鎌倉で見るお寺は輪郭が太く、建物そのものにも力強さを感じます。
 
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こちらは重文に指定されている五重塔。
これも江戸時代の再建です。
江戸期に建てられた塔には、
「各層の屋根の大きさがほぼ同じ」という
特徴があるそうです。
 
でも下から見上げて撮ったこの写真では
そう見えませんね。
というわけで立ち位置を変えて見上げてみると・・・
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屋根の幅が揃っているのがわかりますね
 
この他にも鐘楼、観音堂、御影堂など重要文化財が
境内に立ち並んでいて壮観ですが
刺すような冷たい風にこれ以上は抗えず、
駐車場に戻ってしまいました。
 
このお寺は秋の紅葉はもちろん、
遅咲きの桜「御室の桜」で有名です。
また暖かくなった頃に戻ってきましょう。
 
ところで健康関連機器の電機メーカー、
オムロンはここの地名の御室にちなんだものだそうです。
 
また江戸時代の陶工、野々村仁清の「仁」の文字も
仁和寺から取ったものだとか。
 
今回は冬の日に訪れたので、人もまばらでしたが、
桜が咲く頃、境内は人々の活気と
あでやかな彩りに包まれるのでしょうね。
 
 
 
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