
平和な日本では想像も及ばない子供兵の現実が書かれています。
内戦や紛争が続いている地域が世界にはまだまだたくさんあります。
そんな地域では子どもたちが誘拐され、
兵士として働くことを強要されているのです。
自分の親を、友達を殺すよう命じられる。
地雷のあるエリアでは部隊が移動する前に地雷の有無を確認するために
子供たちが地雷原を歩かされる。
戦闘現場では盾にならされる。
女の子は乱暴され、その相手の子供を産む羽目になる。
例えばコロンビアでは、人を殺す練習をする時、人を殺す恐怖を取り除くため、
家畜の喉を切る練習をしたり、その血を飲むよう強要されたりするそうです。
子供たちはあまりの恐怖とショックのため自分の頭で考えることをやめてしまう。
軍隊は子供たちをそんな状況に追い込み、白紙になった子供の頭に
「平気で人を殺す」考えを植え付けていく、といいます。
随分昔に観た映画、「キリング・フィールド」の場面が記憶に蘇ります。
10歳に満たない年齢で兵士として働かされている子供たちもたくさんいるという事実。
こんなことが行われている国の殆どが世界の最貧国、重債務貧困国。
その一方で武装勢力が使う武器を製造している国の殆どが
先進工業国であるということ。
通常兵器全体の輸出上位国。
これを知った時は驚きました。
その国というのは、アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国。
5国全てが国連安保理の常任理事国です。
この5国から輸出される通常兵器が世界の取引のなんと88%を
占めているそうです。
数年前、著者の鬼丸昌也さんの講演会を聴きに行きました。
彼はその時まだ20代、その若さでウガンダで元子供兵の自立支援事業をされていました。
武器取引の実態もその時の講演で知り、この本を買い求めました。
鬼丸さんが理事長を務めていらっしゃる
NPO法人、テラ・ルネッサンスのHPがあります。
もし時間があれば、ここを読んでみてください。