
安部晴明は平安中期の陰陽家です。
識神(しきがみ)という陰陽師の命令に従って
変幻自在、不思議なわざをなす精霊を使って
あらゆることを未然に知ったりしました。
この人の居宅跡に建てられているのが
京都市上京区にある晴明神社。
晴明公の御霊がお祀りされているそうです。
京都御所から鬼門(鬼が出入りするところ)といわれる北西の位置にあり、
この神社は鬼門封じの意味があると言われています。

昨今の占いブーム、スピリチュアル・ブームのせいか若い人たちがたくさん。
おみやげ屋さんがひときわ目立っていました。
お守りなのか占い用なのかいろんなグッズが売られていました。
そのせいか、こんな由緒ある神社に対して申し訳ないのですが
テーマパークにでも行ってきたような軽い印象が残りました。


これは晴明井と呼ばれ、晴明が念力で水を湧きださせたと伝わる井戸。
悪病難病が治ると言われているようです。
毎年、立春に神職の方が、その年の恵方に井戸の上の部分を回転させます。

豊臣秀吉の時代、豪華な聚楽第がここより南にあり、
千利休の屋敷がこの位置にあったそうです。
千利休は秀吉との諍いの末、切腹しましたが、
最期に点てたお茶もここの水を使ったとか。
京都にはひとつの場所にも年代を超えた
数々の歴史が積み重なっていることを感じる
エピソードです。