
梅雨が明けて本格的な夏に突入しましたね。
昨日は友人のゆかりんちゃんと津市にある三重県立美術館で開催中の
「川喜田半泥子のすべて展」を観に行ってきました。
初めて半泥子の名前を知る方も多いのではないかと思います。
でもこれを見てみて。

日本文化については、どの方向からでも入っていくと必ず行きあたるのが
北大路魯山人というひと。この魯山人に比して、「東の魯山人、西の半泥子」と
いわれたこともあるのが川喜田半泥子です。
数年前に休刊になった「伊勢人」という雑誌でこんな特集が組まれたこともあります。
明治時代に三重県の素封家に生まれ育ち、家業の木綿問屋を継ぎ、
後には地元ではメインの銀行である百五銀行の頭取もつとめた財界人でもありました。
その一方で芸術にも造詣が深く、趣味人としても有名で、陶芸、書画、写真など
いろいろ手がけ多くの作品が残されています。
今回の展示会についての感想はゆかりちゃんとも話していたのですが
「面白かった!」です。
作品には、この方のお人柄が想像できるような、豪快で型に捉われない
ユーモラスな作品が多くありました。
茶碗は全体にとても大ぶりのものが目立ちました。
茶道の茶碗というよりはドンブリみたいに大きいものがたくさんありましたし、
水差しなどでも大きく形がゆがんでいたり。
成形しているうちに崩れた部分を手でちょっと治した跡や
高台(お茶碗の足の部分)がガタガタと落ち着かないものとか
形が大きく蛇行した茶杓もありました。
その銘の付け方も面白いです。
以前、お茶の稽古を長くやっていたけれど
例えば茶碗なら
「若草」「夜桜」「五月雨」「桐一葉」「淡雪」など
まじめな銘々が多い。
半泥子さんの作品の銘々にはもちろん、
「暗香」「伊勢みやげ」「雪の曙」と素敵な銘もある一方で
「堪忍袋」「酔いどれ」「猫なんちゅ」など遊びゴコロいっぱいのものが
一杯で、作品との比較が面白かったです。

この写真は美術館の外にあった展示品のポスターを
撮影したものですが、上から「富貴」「雪の曙」「欲袋」
です。(もし間違って覚えていたらごめんなさい)
「欲袋」なんて銘、初めてみました。
半泥子という号のほかにもこの方の号には
「無茶法師」、「莫迦耶廬(ばかやろうと読めますね)」というのもあります。
半泥子は世間的には「半ば泥みて半ば泥みず」の意味が込められているのだとか。ビジネスマンであり、風流人でもあった背景もあるのでしょうか。
半泥子さんが亭主をつとめるお茶会はさぞや
楽しいものだったでしょうね!