三国志7巻目を読み終わりました。
時代が移り、これまでストーリーを彩ってきた主な登場人物が
次から次へとこの世から消えていく寂しい巻です。
蜀では劉備が亡くなり、主役は亡き後を託された諸葛孔明に移ります。
孔明は劉備の遺言に従い、
幼い遺児を支え、蜀の国の基礎を盤石なものにすることに心を打ち込みます。
南蛮への遠征で成功を治めるくだりや、
生活を楽しむ幸せな庶民の姿が描かれている場面も出てきたり、
孔明の人徳を強く感じる巻です。
でもこのままで終わらないのがやはり戦国の世。
お隣の魏でも曹操が亡くなり、息子、更にその孫の時代になりますが
ここで将来、中国史の次の時代、晋の国の基盤を築くことになる
司馬仲達がぐんぐん頭角を現わしてきます。
魏の司馬仲達を将来の脅威とみた孔明は
蜀の今後のためにも、
魏の国を斃してしまうなら今のうち、と魏への出陣を決意します。
この巻の最後の数ページは「出師の表」というサブタイトルが
つけられています。出師の表というのは
臣下が出陣する際に君主に奉る上奏文のこと。
孔明が上奏した出師の表は
出征する前にまだ幼い皇帝を心配して書いた内容であり、
また若き日、一介の処士に過ぎなかった自分を
劉備が三顧の礼をもって迎えてくれたことに対する
心からの感謝の念と、なんとしても漢王朝の復興を
達成しようとする彼の決意が述べられています。
諸葛孔明が残したこの「出師の表」、「後出師の表」は
千古の名文とされ、これを読んで泣かざるものは人にあらず、とまで
言われるほどの文章だそうです。
中国語で理解できないのがただひたすら残念です。