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6巻目を読み終えました。
読んだことを忘れてしまわないうちにメモメモ。
 
前巻で赤壁の戦いに大敗してしまった魏の曹操、依然として大国ながらも
どこか没落の道をたどっているような気配がちらほら。
人間は頂点を極めるとどうしても傲慢さが出てきてしまうようですね。
曹操の場合も例外でなく、曹家でなければひとにあらず、みたいな
空気が魏を覆っています。
 
劉備は蜀の国を得ます。それだけでなく彼の下には綺羅星のごとく
有能な人物が揃い、まさに多士済々。
 
呉の孫権は妹を劉備と政略結婚させます。
呉と蜀の間にも思惑が渦巻きます。
 
この巻では、またストーリーから逸れてしまいますが、
目に見えない力のこと、宇宙の営みとか
個人については運とか運命について考えました。
うまくいえないですがこの世の中には大河のように
滔々と流れる大きな運気みたいなものがあるのではないかということです。
 
それぞれの登場人物のたどってきた経緯をみていても
ある時期、「幸運」が背後から後押ししてくれるような時がやってくるのですね。
まるでその人物の上にだけ、
眩しい陽の光が燦々と降り注いでいるような構図です。
そんな時はどんな窮地に追い詰められてもかならず助かるし、
一気に困難を打開できたり、
追い風に吹かれて上へ上へと上がっていけるのです。
 
でもこれとは反対に「運命に見放される」という言葉がありますが、
まさにその通り、幸運がその人から去っていく瞬間があるのですね。
そうなると全く人生は逆風だらけ。何をやっても裏目に次ぐ裏目。
 
この世の中には本人の努力とは別のところにどうもこうした
法則みたいなものがあるのではないかと。
 
こうした運の流れはおそらく人間の力ではコントロールできないところのもの。
しかし、運の流れの潮目というかそれを見極める能力を
磨くことはできるのではないかと思いました。
つまり、幸運が自分の頭上にきた時にそれをうまくキャッチする能力です。
 
南方にいた呉と蜀の連合軍が北部の魏と戦った時、
諸葛孔明は、冬の北風が一瞬、南東の風に変わったのを敏感に察します。
そして、その南東の風に乗せて北にいた魏軍を火攻めで大敗させます。
この一瞬の変化に気づくことを逃していたら、自分たちは負けていたかもしれないわけです。
 
人の運命もこんなふうに、何か潮目が変わる時機があると思います。
諸葛孔明が風の変化を察したように、そして風を利用して一気に敵地に火を広げ
大勝を得たように、自分のところに何か変化の兆しが表れた時、
アクションを起こせるかどうか、そこが大事なところではないかと思いました。