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5巻目を読み終わりました。
世に名高い赤壁の戦いの場面です。
 
諸葛孔明が呉に乗り込み、孫権を説き伏せて魏と戦わせるのですが
このひとの洞察力、分析力、戦略はとにかくすごいですね。
いったい次にはどんな術が出るのか、はらはらドキドキの展開です。
裏をかくというよりは、裏の裏のまた裏を・・というほどの
巧妙で深い外交術と戦術。
 
80万人とも100万人ともいわれる大軍を擁した曹操の軍は
赤壁での大敗で3分の1にまで減ったと書かれていますが、
この数字自体が日本史とのスケールの違いを表しているようです。
 
この巻を読んでいて、いかにも中国らしいなあと思ったところがいくつかあります。
孔明は策を立てる時、算木を数えて卦を立てるのですね。
易は宇宙の法則を読み取るものと聞いたことがありますが
戦争でも活用されていたということには興味深いものがあります。
(そういえばヨーロッパでは戦争の際に占星術が使われていました)
 
それから呉のエース級将軍に周瑜という人がいるのですが、
この人が毒を塗った矢に当たり病に伏してしまいます。
彼が罹ってしまったのは金瘡の病といって、
気を激する、つまり怒ると、治りかけていた
怪我が再び破傷するという困った病気。
 
だから敵方は周瑜をとにかく煽って怒らせようとするのです。
それに乗って、つい怒り心頭に達したとたん病気が再発、
周瑜は突然倒れてしまったり、馬から滑り落ちてしまうのです。
 
「怒り」という感情はとにかく良くないのですね。
仏教では「怒り」を「三毒」といって心身の健康によくないものの
ひとつに数えています。
 
あれれ、三国志の感想文を書いていたら随分横道に逸れてしまいました。
それでは、逸れたまま、このへんで