
先月から天外伺朗さんの本を読んでいます。
読みだしたら面白くて、次から次へ・・という調子で
既に9冊目です。
著者は電子工学の博士号を持つ科学者。
科学者の目からみた「あの世」とか「瞑想」の話は
意外な感じがしますがとても面白いです。
東洋思想やアメリカ先住民の思想についての考察、
また現代の資本主義、科学的合理主義の考え方が
限界に直面しつつあることなど
はっと思わされることが多く書いてありました。
科学と宗教は対峙するものではなく、切り離せないものであるということ。
いたずらに数字を追う今の社会のシステムよりも
個々人が心から「幸せ」を感じる社会とはどういったものか。
また私たちがいま生きる世界、宇宙には
見えざる大きな力というものが働いているということ、
そこに自らをゆだねることで人生が生きやすくなる、
こうしたことも現代人には必要な考え方なのではないかと
感じました。
更にとっても意外だったのはこういうことを書いている
天外伺朗さんはCDの共同発明者であり、
最近では犬型ロボット「AIBO」の開発責任者であり、
ソニーの常務を務められていた土井利忠さんのことだということです。
大企業の幹部があの世のこととか宗教のこととか
おおっぴらには書くのは憚られるだろうということで
当初このペンネームを使われていたそうです。
全然バックグラウンドも何もわからない人が書いている本なら
単なる怪しい本・・と思って読まなかったかもしれないけれど
著者は激しい企業競争を戦い抜いてきたビジネスマンであり
世界最先端のテクノロジーの第一線におられた科学者でもある人です。
それだけに説得力がありました。
また私自身が最近、真に心豊かに生きるためにはどうしたらよいのか、
ということを一人になるとよく考えていました。
そういう時期に巡り合った本であっただけに内容にも
大変共感することが多かったのだと思います。
書きとめておきたいことがたくさんありましたが
中でも心にとどめておきたいのが
人生の中で起こることは全てが中立である、ということでした。
人間万事塞翁が馬の例えのごとく、自分の身に起こる
あらゆる事象は見方によって良くも悪くもなるということです。
それから「もっとも真剣に準備した人のところに強運が訪れる」
という言葉もどこかにメモメモしておきたいと思いました。
あと4-5冊読んだら、次の歴史小説に進もうと思います^^