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昨日は津の文化会館に文楽を観に行ってきました。
昼の部と夜の部があってそれぞれ演目も違っていたのですが
私は前列席が空いていた夜の部のチケットを予約しました。
 
演目ひとつめは
「絵本太功紀(えほんたいこうき)」 
夕顔棚(ゆうがおだな)の段、尼ヶ崎(あまがさき)の段
明智光秀が、本能寺で織田信長を襲い、その後、羽柴秀吉との山崎の戦で敗れ、
逃走中に殺されるまでの1582年6月2日から6月13日の史実を題材にした作品で、
この日上演されたのは全13段のうちの一段。
 
文楽を観るのは二度目なのですが、人形の微妙な動きが心の内側をとても
上手に表現しています。お人形さんたちに本当に命が宿っているのかと思うようです。
 
この作品は史実をもとにした時代ものですが、江戸時代からするとまだ
戦国時代は少し前の時代、登場人物や時代設定などに実名や史実を使うことは
幕府から禁止されていたので、登場人物の名前は全て、ちょっとだけ変えてあります。
 
暴君を春長(信長のこと)
光秀のフルネームは武智光秀、
それから彼を討つのが真柴久吉になっています。
すぐわかっちゃうのにね^^;
 
作られた時代が時代だけに光秀のお人形は顔からしてすごく極悪人で
久吉(秀吉)は正義の味方の凛々しい美男子のお人形さんが使われていて
極端な感じがしましたが、これのほうがわやりやすかったのでしょうね。
 
江戸時代のお人形さんは今のものより、半分程度の大きさで
一人で操るものだったようですが
これでは感情表現が十分にできないからということで改良を重ねて
今の大きさになり、三人で後ろから操るようになったそうです。

 
二つ目の作品は
「日高川入相花王(ひだかがわいりあいざくら)
渡し場
(わたしば)の段
 
というものです。
紀州道成寺の安珍、清姫の物語を題材にしたものです。
愛する安珍が女を連れて逃走したので、後を追う清姫。
 
でも安珍にとったら清姫はもうすでに邪魔くさい存在なので、日高川を渡らせないように
船頭に言いつけるの。最初は悲しむ清姫。でもそれが段々怒りに変わるのですね。
その怒りから角のある恐ろしい大蛇に変身して川に飛び込むのですが
この蛇になった清姫が荒れ狂う波の中を泳ぎ渡る場面は人形とはいえ鬼気迫るものを
感じるほど見ものでした。
 
最初に解説してくれた方が、女の人の恨みを買うと恐ろしいですよ、といってましたが、
本当にそうですね。お能でも般若のお面は女性ですからね。
男の人は女性の扱いには気をつけてくださいね。