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7巻と8巻を読み終わりました。
日ごとに厳しさを増す戦局、7巻目は硫黄島の戦い、
8巻目は戦艦大和の最期、そして沖縄戦。

私たちの祖父の世代の同じ日本人がこんなに
苛烈な経験をしてきたのだろうかと考えると
胸が締め付けられるような想いです。

今の時代から振り返って太平洋戦争をみると、
この時代に支配的だった当時の価値観について
十分に理解できない部分があります。

なぜ負けるとわかっている戦いを続けたのか、
なぜ生きることに未練を残さず特攻隊として出撃していったのか、
なぜ天皇陛下万歳と叫んで彼らは死んでいったのか、
戦後の東京裁判でなぜ戦争責任の所在に関して
アメリカのキーナン主席検事とオーストラリアのウェッブ裁判長が対立したのか。

歴史をみるときはその時代の価値観とか
その時代を包んでいた空気とか
それらをまず理解する必要があるのではないかと感じます。
そうしないと亡くなっていった人たちの真の気持ちも
理解できないのではないかと。

硫黄島での栗林中将、沖縄戦での牛島軍司令官、太田少将など
指揮官として立派な方がたくさんいたと思います。

沖縄戦は民間人の多くが戦いに巻き込まれ、
言葉にならない悲劇が各所で起こりました。
あのまま戦争が続いていたら同じことが本土でも
繰り返されていたということを
しっかり心にとどめておくべきではないかと思います。

沖縄戦の最終段階で太田海軍少将が自決前に
第32軍参謀長に宛てて電報を打っています。
電報の最後はこの言葉で締めくくられています。

「沖縄県民斯く戦えり。県民に対し、後世特別のご高配を賜らんことを」

後世の政治家はこの言葉の重くて深い意味を理解されているのかどうか。