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連休一日目、松竹大歌舞伎近松座公演を観に行ってきました。
演目は坂田藤十郎のお目見得ご挨拶、恋飛脚大和往来封印切、連獅子でした。

歌舞伎初心者の私にとっては入口で貸し出してもらえる(有料)イヤホンガイドが
とても役に立ちました。

最前列の席だったので、オペラグラスも必要なく、舞台の迫力がすごく伝わってきて
面白かったです。

今回初めて知ったのは歌舞伎には
京阪地方独特の柔らかみと色気を持つ和事の「上方歌舞伎」と
荒事やにらみなどの「江戸歌舞伎」があるということでした。

「忠臣蔵」のようなものは江戸歌舞伎、近松門左衛門の作品などを題材にした
男女の機微を描いた作品が多いのが上方歌舞伎なんですね。

昨日観た恋飛脚大和往来は、実際、江戸時代に起こった公金横領事件を題材にし
近松門左衛門の「冥土の飛脚」をもとにつくられているものです。
歌舞伎も敷居の高い印象があるけれど、
ストーリー自体はそんなに小難しいものではなかったし、
むしろ今の時代の男女の仲でも同じようなことってあるなあと思えるような
感情移入しやすいものでした。

「封印切」の幕では坂田藤十郎さんが演じる忠兵衛という若い男性が
好きになった遊郭の女性を見請しようするのです。

でも他にも彼女を身請けしたいという金持ちの男性がいて、
好きな女性の前だから互いにいいところを見せようとするの。
それで言い争いになり、そうこうするうち主人公の忠兵衛が預かって手にしていた
公金の封が切れてしまうのです。

この時代、封印を切ることは死罪に相当する大罪なのです。
でもライバルを目の前にして、若気の至りでやってしまった。
その場では彼女を身請けして遊郭を去ってしまうのですね。
舞台はそこで終わりでしたが、このあと二人は3日間だけ夫婦として過ごして
その後、死罪に処せられてしまうという物語なのだそうです。

この時代の遊郭の決まりごととかいろいろ興味深かったです。
それから、話の舞台は大阪の新町というところです。
解説を聞いて初めて知ったのですが、大阪の千日前って
江戸時代は荒涼たる処刑場、墓場だったのだそうです~。

後に続いた「連獅子」は、唐織りの煌びやかな衣装、
赤と白の親子獅子の舞踊が素晴らしかったです。
これも解説を聴きながらだったので、よくわかりました。

4代目坂田藤十郎は数年前に襲名する前は三代目中村鴈治郎だった人。
それで奥さんが扇千景で、妹が中村玉緒。ご本人も人間国宝。すごいですね。

私たちが普段使っている言葉の中にももとは歌舞伎から来ているものが多くあります。
日本人の日常生活とも深いつながりがある歌舞伎についてはこれからももっといろんな作品を
観てみたいと思いました。