毎日少しづつ読んでいる「徳川家康」も
12巻目の「華厳の巻」、
13巻目の「侘茶の巻」、
14巻目の「明星瞬くの巻」を
読み終えて、現在15巻目です。

これまでひたすら右肩上がりであった秀吉の運命が小田原征伐の頃を
頂点に除々に下降していく過程が描かれています。

これを読みながら思い出したのが、
キリスト教でいう「七つの大罪」という人間の欲のことです。
全部思い出せなかったのでちょっと検索して調べてみました。

傲慢、嫉妬、憤怒、怠惰、強欲、暴食、色欲とありました。
人間が犯すあらゆる罪の根源となるもののことです。

頂点を極めつつあった秀吉を襲ったのが
この誘惑であり、それらに抗えなかったのではないかと。

そして運命の星は永遠に自分の頭上に輝いてくれているわけではないのです。
でも人って、運勢が悪い時ほど、悪あがきしたくなるものですよね。
秀吉の場合はそれが朝鮮出兵であったのではないかと思います。

14巻目は淀君に秀頼が誕生したところで終わっています。
この秀頼の誕生が後年の悲劇の始まりになるのですね。

「徳川家康」の本を読んでいるのに、
この辺は殆ど「豊臣秀吉」の話ばかりですね。

私の周りでもこの本を全巻読んだ人は結構いるのですが、中には
あの本は説教臭くて嫌い、という人もいます。
確かにそういうふうに感じる人もいるかもしれません。
でも私自身はこの物語からはいろんな教訓が読み取れる気がします。

今回印象的だったのは
「大将の器というのは負け戦の時にどのような行動を取るかということでわかる」
というようなことが書かれた場面でした。

人は誰でも自分自身が好調な時、登り調子の時には
周囲にも明るく優しく接することができます。
逆の時はどうでしょう。
人間の器というのは逆境の時に
どのように振る舞うかで顕在化するのかもしれないですね。